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我思う故に・・・新館

宇宙戦艦ヤマト 2199 #16 未来への選択 

 




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オリジナルだが、旧作の第16話に関連。
オープニングが変わっとるww なんぞコレ
ガンダムダブルオーか、はたまたコードギアスか
なんともシャレオツな主題歌になっちゃいましたね。
こういうの何ロックっていうのか知りませんが
「宇宙戦艦ヤマト」に似合うかと問われると、答えは即答できます「否」と。
これが
40年前の旧作ファンだけでなく、新しいファン層を開拓しようという試み
だというのなら、目をつぶって受け入れるところですが
おおよそテレビ局とレコード会社の都合なのは判ってるので
まぁ批判の対象になるよね。
昨今のアニメ制作事情は理解しているつもりだけど、
1カットの描き下ろしもなく、
100%本編フィルムの繋ぎ合わせというのは、まったく評価できない。
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ビーメラ星系4番惑星:ビーメラ4
O・M・C・S不調によって危機的状況にある水と食糧の補給が
立ち寄る主たる目的なのだが、
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水は豊富で大気成分にも問題なし
「それじゃあ俺達も住めそうだなぁ」
太田の悪意なき一言が、
ひょっとすると新見の背中を押したかもしれない。
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新見による「イズモ計画」最後の談判は叶わず。
旧作企画当初のプロットに真田派の反乱というのがあったそうだ。
しかし
スタッフ間で勘違いがあり、徳川機関長が反乱を起こすような伏線が
中盤に張られてしまったため整合性を失ったのか、はたまた
話数短縮のアオリを受けて削除されたのかは分からないが
とにかく旧作では実現しなかったエピソードだ。
僕はこれが今作でどう再現されるか注目していた。
それが
ヤマトクルーの名前の由来となっている新撰組隊士になぞらえて
叛意を表すキャラを持ってくるとは、なかなかよく考えられている。
僕は新撰組隊士についてさほど詳しくないのだが
ある友人はキャラの名前を見て「裏切るならこいつとこいつだな」と
ピンと来たそうだ。
イズモ計画を強引に継続しようと企む芹沢のモデルとなった
芹沢鴨は、強固な信念と実行力で
新撰組の地位を盤石にした功労者だったが
日頃の粗暴な振る舞いと、闇取引も辞さない強硬な政治手腕が
上層部(会津藩など)に疎まれ(真偽不明)最終的に暗殺される。
新見錦は芹沢の腹心(諸説あります)と言われる有力者で
芹沢派排除の流れの中で切腹させられた。
容姿端麗で弁舌が立ち、人望厚かった伊東甲子太郎は、
独自の尊皇攘夷思想を持ち
佐幕派の隊士とそりが合わず新撰組を離脱し独立党を結成。
後に新撰組に暗殺される。
芹沢、新見、伊東
キーとなったのはこの3名
保安部が丸ごとクーデター側にいるというのは
伊東が掌握したというよりは、
もともとイズモ計画派で構成されていたと考えるのが自然。
新見は調査・データ収集と要人の籠絡wが任務で、
実行部隊として保安部が控えていたのだろう。
ここまでの航海の中で、伊東の巧みな話術などで
保安部員はその正当性をすっかり信じ込んでいたのかも知れない。
史実の伊東派には、篠原、藤堂の名前もあるが
そこまでは言うまい。藤堂なんて今さらどうしようもないしなw。
とにかく武力によるクーデター勃発。
保安部が各部署を制圧、
舵輪を握る島を懐柔してヤマトの運行を強行する構えだ。
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人類絶滅までに帰還する可能性が極めて低いヤマト計画をここで中断する。
yamato2199_16e.jpg 黙れ異星人の女め!
さすが伊東。
外国人排斥を説いた「攘夷」の思想がここにも反映されている。
メルダを信用できない、オルタには「機械に心はない」なども同様かと。
ま、単純に「オンナ嫌い」の様でもありますが。
森雪 = ユリーシャ・イスカンダル
視聴者の誰もが一度は想像し、しかし
ここまでの経緯を見てて「でもちょっと違うんじゃね」と思ってる
その疑問はまだ晴れることはない。
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あまねく星々、その知的生命体の救済。
それがイスカンダルの進む道。
そしてそれが私たち一族の使命。
かわいいユリーシャ・・・私の妹・・・
あなたはその使命を果たすのです。
地球の人々に希望を。
それをやり遂げる勇気を、そして試練を与えましょう。

雪の持っていた映像デバイスはやはりスターシャからのもので
雪はこれを見ながら「必ず帰ります」と宣言していたが
本人は自分が地球人:森雪であることを疑っていないようだ。
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この雪の表情は何を物語っているのか。
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「アナライザー、お前かっこいいぞ!」
「ひぃぃ〜虫は嫌!虫は嫌!」

なんか平田のキャラが思っていたのと違う・・・
主計長(旧作における雪のポスト:生活班長に当たる)平田。
旧作では「ヤマトⅢ」に古代と同期の生活班員として登場。
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16時間にも及ぶ激しい演習のあとでなおハードな訓練をする古代に
1杯のレモンティーを用意する役として出てくるが
新兵:土門が古代の席に座るようになって
上官としての役どころを失いフェードアウトした。
曽我部和行による落ち着いた大人の男だったのだが
古代と同期ということで、若々しく刷新されたのかもしれない。
ちょっと気になったんだが、
古代たちがビーメラ4に降りている理由は
同行者が平田と百合亜である点からも、
食料と飲料水の確保または所在確認が最優先のはず。
金属反応が確認できたとて、そっちへ向かう必要はない。
この上陸班の行動は少し不可解だよね。
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古代たちの帰還を待たず発進するヤマト
オイオイ、それじゃあこの星が移住に適してるかどうか
詳細なデータを確認せずに地球に戻ることになるぞ。
古代がいると場が乱れるので、
古代がいない時を見計らって伊東が蜂起したのは間違いない。
「異星人と信頼関係が築ける」と、
伊東にとっては戯れ言をいう古代が信用できない反面
古代のクルーへの影響力を認めているからこその措置なのだろう。
しかし
今古代たちを置き去りにしたところで
イズモ計画に則って移住が行われれば
約1年後には、彼らは再びこの地へ戻ってくるわけだし、
その間に古代たちが死んでしまうようなら
もとより移住に適していなかったことになる。
なんとも計画性のない場当たり的な処置に他ならない。
結果
犠牲者を出さないつもりだった新見と
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藤堂派の逆スパイだった星名の裏切りでクーデターは失敗。
ビーメラから持ち帰った情報
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それは遺跡にあった波動コアのような物質によるもの。
これは先にガミラスが使っていた亜空間ゲートの情報だ。
このゲートの使用を巡って
とても熱い展開が待っているので期待しよう。
ところで、食料と水はちゃんと確保できたんかいな!?
しかし、何だ
イスカンダルが地球へ救いの手を差し伸べてきたのは
何も地球に限ったことではないということが明らかになった。
あまねく知的生命に救済を
兄弟星であるガミラスの悪事に困窮する人々を救うため
ではなく、対象は「あまねく知的生命」なのだそうだ。
なんとも宗教掛かった上から目線の博愛主義じゃないか。
ところで、
ビーメラ4にかつて繁栄していた
ものすごく出渕テイストな知的生命体の遺跡。
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亡骸が残っているのは、昆虫のような容姿が示すように
甲殻もしくは外骨格で体幹が形成されていたからだろう。
その容姿は
旧作に登場したビーメラ人に酷似している。
旧作16話のビーメラ星は
昆虫人間が奴隷の肉体から搾り取ったローヤルゼリーを
ガミラスに上納することで、かりそめの安寧を得る文明の遅れた星だった。
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ガミラスに隷属することで、おこぼれ的栄華を得ようとする女王派に
圧政に耐えかねた人民が立ち上がる話だった。
ここで、忘れてはならないのが、
本作では、イスカンダルが救済したはずのビーメラ人の文明は
その70年後に絶滅していることである。
波動コア様の物質を見るに、
イスカンダルがビーメラに与えた救済とは
テクノロジーの供給だった様に思えるが、
イスカンダルの船と遺跡以外に目立った金属反応がなかったところを見ると
ハイテク機械文明をもたらしたとは考えにくい。
亜空間ゲートを使用させることが救済?
どういう意味?
移住を促す必要性があったとも思えない。
となるとこれは、たとえば旧作16話のような
上納品を提供するルートを亜空間ゲートで確保し
その庇護を受けることで安寧を保つ契約だったのでは。
旧作ではその相手はもちろんガミラス。
ガミラスに隷属させられていたのだが、ひょっとして・・・
庇護を受けて70年で文明が滅んでしまうような
イスカンダルの救済。
これは本当に地球にとって救いの手と言えるものなのでしょうか。
余談だが:
青いスーツの眼鏡インテリが久川ボイスとか、どんだけ
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水でもかぶって反省しなさい!
追記:
イスカンダルの救済から70年で滅んだビーメラの文明。
これについてふた通りの考え方をしてみました。
●ひとつは「救済が救済ではなかった」
上記で僕が書いたように、イスカンダルのある意味一方的な救いの手は
すべての生命にとって、必ずしも救済となり得ない可能性。
たとえば救済として与えられた物資やテクノロジーの奪い合いが起きて
種族を全滅させる争いに発展したとか。
思考を少し飛躍させると、
イスカンダルが「救済」という甘言を用いて
意図的に知的生命を滅ぼしていることも考えられなくはない。
(野生の巨大昆虫がイスカンダルの船を怖がっていましたよね。)
●もうひとつは「ビーメラ人は救済され、ビーメラ4からいなくなった」
ビーメラ人を救済するには、ビーメラ4から脱出してもらうよりなかった可能性。
ほぼ唯一残されたハイテク文明の名残が亜空間ゲートに関する情報。
これはやはりゲートを使用させることが救済だったと考えるべきか。
たとえば、ビーメラ人がこのままビーメラ4で繁殖を続けると
星の生態系を壊してしまうとか、
自然災害を引き起こす要因となり、星そのものが滅ぶとか・・・ね。
もしこっちが正しいとしたら、
「やはりビーメラへの移住を決行しなくて良かった」
という落とし処にはなるかな。
というのは、旧作の時点でも
ビーメラになら地球人住めるんじゃね?
という可能性が一部で問題視されており、その問題について
「これこれこういう理由で、ビーメラへの移住は却下された」
という明確な回答は出ていない。
その可能性をブチ監督も解っていながら
「ダメだったらビーメラへ行く選択肢が残されてんじゃん」
では物語が締まらない。
これは、ビーメラ人がこの星から救い出されたように、
地球人もまたこの星に住むことは出来ない理由があることを
示唆しているのではないだろうか。
と、考えてみたがどうだろうか。

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Comment

  1. ◎宇宙戦艦ヤマト2199第16話「未来への選択」

    |デスラー総統はドメルを差し向けるのだった>>島:ほかに選択肢がないんだな、いいのか俺を信用して→また艦長倒れてる+d>疲労じゃな凸*>あとは水の補給だけかロ)水は豊富にある…

  2. かっぱ より:

    主題歌には、参りました。
    旧作ファンとして、初めて裏切られた感じです。
    楽しげなコーラス風メインテーマや真っ赤なスカーフじゃないエンディング、など、全て好意的に受け止めていましたが、この主題歌?は、ダメです。
    オーケストラベースのBGMとも統一感ありません。
    私が嫌いなジャンルの曲というのもありますが、これじゃ、口ずさんでも(口ずさめるのか?)元気が出ません。

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