ONEPIECE 972「煮えてなんぼのおでんに候」
表紙とカラー扉絵(ポスター)が、カップヌードルとのコラボシリーズ「HUNGRY DAYS」の特別仕様だ。
この一連のCMは、ワンピファンにとっては賛否バッサリ分かれたようだが、僕は概ね好評価だ。まぁエイサクには漫画描けよと思わなくもないが、それはそれ。
このコラボCMに関しては、スレを立てるタイミングをすっかり逸してしまったが、エイサク✕オダッチのロングインタビューが「COLOR WALK 9」に載るらしいし、機会があれば書きたいと思う。
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さて、
おでんの公開処刑は、オロチの腹いせと権勢を示すエンターテインメントだったはずが、国中を震撼させる伝説の出来事となりつつあった。
しのぶの独白は御庭番衆に制せられたが、民にこの5年の真実を知らしめるには十分すぎる効果があった。
人々は大いに驚き自らを反省、真相はワノ国全土にまたたく間に伝搬した。ある者は今さらながら花の都に駆けつけ、ある者はオロチにおでんの助命を訴え出た。
しかし、光月家が亡き者となれば、もはやオロチの地位を脅かす存在はなくなるし、カイドウと二人並んで権威を示せば反抗する者などついぞ現れない。
オロチの「将軍」としての振る舞いの根の部分にある「ワノ国すべての民に対する恨み」を吐露した今となっては、オロチにとって、もはや民を欺き体裁を取り繕う必要もなくなった。
民の嘆願など武力で排除するのみ。聞き入れられるはずもなかった。
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真実を知った民の声を味方につけて耐え続けるおでんは、ロジャーとの旅で知り、決意した「光月家」の運命について、赤鞘の侍たちにほんの少しだけ話しはじめる。
大昔、「巨大な力」からワノ国を守るために国を閉ざしたのは他ならぬ「光月家」だった。
世界は800年の時を越えて現れる「ある人物」を待っている。その時その「ある人物」を迎え入れ、協力できる状態に、ワノ国を整えておかねばならない。
オロチとカイドウは、何があろうと今日この場でおでんを殺す。だから自分の代わりにワノ国を「開国」して欲しい。
強靭な肉体と揺るがぬ信念、壮絶なる意志の力で、おでんは一時間を耐え抜いた。
しかし、おでんが予想したとおり、オロチはおでんを解放する気などなかったのである。
おでんは最後に残された力で橋板を放り投げ、赤鞘の九人としのぶにすべてを託した。
おでん死すとも魂の火は消さない。意志を継ぐものが必ず本懐を遂げる日が訪れる。
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この世でおでんにできることは終わった。
自分の死が語り継がれることなど望まない。おでんの魂はすでに継承されたのだ。
ある種、満足げな佇まいでおでんが切った最期の見栄は、カイドウの手による銃弾で言いきることはできなかったが、
ワノ国すべての民の心に深く刻み込まれ、ひとつの時代が終わりを告げた。
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さて、
おでんは外界の旅で知った情報をほとんど残さずこの世を去ったが、トキにだけは手紙を遺していた。
おでんに為すこと敵わなかったならば、もはやワノ国に、オロチを倒す大義名分を持つ者も、カイドウを倒せる猛者も存在しない。
鍵は20年後。
20年後にその時代の寵児たちが新世界に押し寄せる。その者たちと協力し、カイドウを討つ。
そのために、トキの「時を渡る」能力を使ってほしい・・・
光月おでんが生きた証と、未来に向けた明確な意思。トキもまたそれを受け継ぐひとり。
800年前にワノ国を閉ざした「光月家」が、自らの手で開国を成し遂げるため、800年前からやってきたトキが人生最後の能力を使う。
長かった回想にようやく区切りが・・・。
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さて、
トキがモモの助たちを送り出したのが「20年後」だったのは、やはりおでんに指定されていたからだった。
20年ほど後にカイドウを倒せる者たちが新世界に現れる。世界が待つという800年の時を越えて現れる人物とそれが同じ人物を指すとしたら、ジョイボーイもしくはその再来を示していることはまず間違いない。
光月家はワノ国を開国し、ジョイボーイを迎え入れて協力し、「大海を分かつ程の巨大な戦」に挑むつもりらしい。(…つもりというか、800年前からの運命なのだろう。
手順はあべこべになるが、そのジョイボーイ本人が、開国の最大の妨げとなっているカイドウを討つことに協力してくれるなら話が早い・・・という「とらたぬ」願望が垣間見える気がしないでもない。
だが事実、錦えもんたちは現状でもっともジョイボーイに近い(wと思われるルフィを味方につけて戻ってきた。もとよりルフィは四皇すべてを倒すつもりだし、利害も一致するからいいんじゃない。
まぁ、ルフィがジョイボーイなのかどうかは、とりあえず先の話だ。
ジョイボーイとは「快童」すなわちカイドウのことで、大昔に人魚姫と縁があって死ねない体になって800年、いい加減死にたがっている、という他所で読んだ説にすごく説得力を感じたんだが、そうでないならば、カイドウは「ジョイボーイになりたい男」なのかもしれないな。
Comment
今週号の巻末に掲載されていませんでしたが
次号は休載のようです
オダッチ急病のためだそうですね。残念です。
いつも楽しみに読ませてもらってます。
今回のおでんがカイドウに撃たれ釜に沈んだ顔の描写とロジャーの
処刑された顔の描写が同じ様に見えました。
彼らはその意志を未来を繋ぎ、使命を終えてやり切ったということなのでしょうか?
ロジャーがレイリーに「俺は死なねぇぜ相棒」といったセリフとトキの「あなたは死なないでしょ?」
のセリフもワンピースへ続いているように思います。
おでんはロジャーの死に様に感じ入ってましたからねェ。
窮屈がイヤで外界を見聞して、国に戻ってみれば、今度は国を守るために真実を隠して自由もままならず、
自分で為したくてもできなかった決着を、意思を受け継いだ「誰か」が遂げてくれることを
最後の最後で確信したのでしょうね。
それと、本日は2月22日(フーフーフー)のおでん🍢の日。偶然にも、その日にあの名言「煮えてなんぼのおでんに候」という回が掲載されました!
「おでんの日」!!知りませんでしたwww
遂に処刑されたおでん!!(;o;)
“さよなら、おでん”というのには残酷ですがこれまでの活躍を沢山見てきて心に響く物ばかりでしたので悲しみつつも感動の目で見ました!そして、おでん処刑場から命からがら逃げてきた家臣たち..そしてトキ達のいるおでん城…次回はいよいよ!!!