ONEPIECE 808「イヌアラシ公爵」
世界の甲板から 5億の男編 Vol.4は
「シロップ村」
元ウソップ海賊団の少年たちが感涙にむせぶ理由は、
単に、尊敬するキャプテンに「2億」という破格の懸賞金がかけられ
見事、大物海賊の仲間入りをした事に対する感動だけではない。
以前、はじめて手配書に載ったとき、ウソップは
そげキングの姿と名前で手配されており、
カヤ以外の村人は、それがウソップであることを信じなかった。
幼い彼らなりに「確信」していたとは思うが
なぜ顔と名前を隠しているのか、
果たして仮面の下は本当にウソップなのか、
周囲の全面否定も後押しをして、彼らの中に払いきれない小さな疑念が
常に付きまとっていたことだろう。
そのウソップが、別れの際に言い残した
「野望の火を絶やすことなく、己の道をつき進むことを誓え!」
の言葉を、自ら体現してみせたのである。
吐いたウソを本当に変える男が、
今度は「ゴッド」の二つ名を手に高額賞金首となり
今ふたたび、少年らの前に降臨した。
信じてよかった。
僕たちのキャプテンは本当にやる男だ!
彼らは今11歳。そろそろ「ごっこ遊び」を卒業する年齢にさしかかる。
しかし、これは絵空事や馬鹿馬鹿しい空想話ではない。
海の向こうで起こっている、ウソのような本当の話に
思い出と新たな感動、そして平和な日常に忘れそうになっていた
各々の野望への情熱が、一気に呼び起こされても当然といえるだろう。
海賊の真似事は、今日を限りにやめることになるかもしれない。
三人はこれから、キャプテンと約束したそれぞれの野望に向かって
男として歩きはじめるのだ。
それにしてもカヤ・・・
病弱で儚げだった少女は、強い決意のもとに医師を目指し、
今ではもうすっかり「薄幸の少女」ではなくなった。
・・・えーと・・・
つまり何がいいたいかというと・・・
マキノや、スカイピアのコニスちゃんのときにも書いたんだが
ぶっちゃけ、昔のほうが好みだった!!!
まぁ、オダッチの絵柄は、連載をはじめて18年常に進化しているので
昔のキャラを突然登場させても、同じ雰囲気には描けないだろう。
それはオダッチの進化とともに、
作中のキャラクターもまた年月を経て成長していると捉えることにしよう。
そう考えると、ホラ・・・清楚な服装ながら
以前よりキリッとした眼差し、スラリと伸びた手足、ボン・キュッ・ボン、
・・・・・・
いい女医になると思わないか・・・?
さて本編:
モコモ公国に突如現れたマンモス
まだ、このマンモスがジャック自身だとは明言されていないようだが
801話でアップになったジャックと目が同じなので本人なのだろう。
ジャックとは、四皇カイドウの懐刀三人のうちの一人
通った跡にはペンペン草も生えない、通称「旱害かんがいのジャック」
彼らの目的はただひとつ。「ワノ国の武人”雷ぞう”」
しかし「居ないし知らない者を差し出すことはできない」という言い分は
まったく聞く耳を持ってもらえなかった。
満足の行く結果が得られなかったジャックは
公国の中心街「クラウ都」と国民に壊滅的な被害を与え、ひとまず去った。
ナミたちがどのように活躍したかも、おいおい語られるだろう。
まず気になるのは、
雷ぞうは本当に居ないのか、それとも、本当はどこかに居るのか。
現状では定かではない。
とりあえず、ずっと疑わしいと思っていた「バリエテ」は、
ただのミンク族だったらしい。
物見櫓で門の番をしていたようなので、
職務として「おのれ勝手な入国は許さんぞ」と言っていたのはバリエテっぽい。
しかし、一週間にも亘り不当な暴力を受け続けた事件のさなかに居たバリエテが
今、錦えもん・カン十郎とおとなしく行動を共にしていることには
激しい違和感を覚える。
「ワノ国の侍」の装いや言葉遣いを知らないから気づいていないだけなのか?
そうであっても、いっしょに象の足を登るのだ、
何某かの会話があって当然で、錦えもんたちがワノ国の侍であることを知ったら
ただでは済まないと思うのだが、その辺どうなってるんだ・・・?
次に気になったのは、ジャックの部下たち。
なんか「神聖モテモテ王国」に出てきそう…w
たとえばすでに795話でチェック済みのシープスヘッドの場合
「百獣海賊団 ギフターズ真打ち」と説明されている。
「ギフターズ」は、動物のパーツを身につけた異様な出で立ちの戦士たち。
通常の動物ゾォン系悪魔の実とは異なる系譜の能力を身に着けている様子。
人造悪魔の実SMILEの能力者に間違いないと思う。
「ギフト」とは特殊な能力、またはそれへの適合を指すと思われ
「真打ち」はその最高位という意味だろうから、それだけ強いんだろう。
もうひとつ「プレジャーズ」と分類される者たちが居る。
「喜び組」と訳すのはちと躊躇われるが
見たところ特殊能力を持っているようには見えない一般の兵士だ。
いわゆる「ヒャッハー」要員だな。
ギフターズは皆二本角、プレジャーズは一本角であることからも
明確なヒエラルキーの存在を確認できる。
ともあれ、ジャックらは雷ぞうをゲットすることなくこの島を去った。
しかしそこは後にペンペン草も残さない旱害のジャック、
壮絶な最後っ屁をかましてから島を去った。
シーザーの毒ガス兵器。
自身の能力を活かせるガス兵器は、軍の科学者時代から研究していたが
軍から脱走後はドフラミンゴの後ろ盾を得て研究、改良が繰り返された。
闇の武器売買ルートでプレゼン映像を流していたことから、
スマイリー以前の試作品や、平行開発されたガスを使った武器なども
闇の市場に流されただろう。
シーザーがビッグ・マムから研究費をダマし取ったというのは
ドフラミンゴの庇護を受ける前かもしれないが、いずれにせよ
自身が生み出した殺戮兵器を、精力的に放流していたことは間違いない。
チョッパーが「みんなが死んだらお前を許さない」と
シーザーに言っていた理由はこれだった。
要望通りの返事をくれない者に用はない。
空振りさせられた腹いせに全滅させるだけだ。
かくしてジャックは大量殺戮兵器を使用した。
しかし彼は「旱害のジャック」。それが大袈裟な通称ではないのなら
相手を完全に殲滅することなく島を去ることがあるだろうか。
事実、あとを託したシープスヘッドはサンジたちに敗北している。
これは「旱害」の名に泥を塗ったに等しい。
どう考えてももう一回来るだろうね。
で、最後に
目を覚ましたイヌアラシ公爵が
当時島に居なかったルフィにも感謝しているのだが、これは何だ。
東の海でアーロンを倒したことを、ずっとあとでジンベエに感謝されたり
アラバスタの動乱を鎮めたことについて青キジからあとで触れられたり
そういうケースはあったが、これは何を指しているのか。
ドフラミンゴをルフィが倒したことで
ジャックがジョーカー奪還に動かなければならなくなったことを
言っているようでもあるが、
「何から何まで」という物言いには、もう少し深い意味がありそうだ。
森の侠客団たちも傷ついていたが、
騒動の当時ネコマムシの旦那が何をしていたのかも分からないし、
何より錦えもんたちは何を求めてここへ来たのか。
雷ぞうはいったいどこに居るのか。
わからないことだらけだ。
サンジのことは、もちろん重要だけど、その一番キモの部分は
今回のシリーズと直接関係ないような気がしてきたので、
しばらく様子見します。
Comment
キリッとした眼差し、スラリと伸びた手足、ボン・キュッ・ボン、
・・・・・・
くれはみたいになるのかな、最終的に。
上の方の何故ゾウが選ばれたのかについてですが、雷ゾウとゾウを重ねてきたのも、尾田先生的に何か意図があると思います。
例えば、かなり飛躍しますが雷ゾウはゾウを操縦できる者であり、実はゾウはゆっくりとワノ国に向かって歩いている。そしてそれを阻止するためにジャックたちが来た、という妄想ですw
元ウソップ海賊団の少年たちが感涙にむせぶ理由のくだりは感動しました。さすがの考察ですね。
何より錦えもんたちは何を求めてここへ来たのか。
雷ぞうはいったいどこに居るのか。
わからないことだらけだ。
確かにまだまだ全貌は見えませんね。
私はゾウが「象」であることの必然性がきっと隠されていると思います。
国が移動するだけなら「クジラ」や「亀」の背中で十分なはずですが、敢えて不自然すぎる「象の背中」にしたのは何か理由があるはずです。
「海水を真水にろ過する装置」が必要ならば、ゾウがクジラでもカメでも良かったと思うのです。謎ですね。
カイドウ傘下がワノ国に対しスマイルやドラゴンを使って攻撃を仕掛けているのは確実かと思います。
カイドウかあるいは「災害」の連中はワノ国に何か欲しいもの(武力か妖術?)がある。
だから今も雷ぞうを探しいているのかなーと思うのです。
>錦えもんたちがワノ国の侍であることを知ったらただでは済まないと思うのだが、その辺どうなってるんだ・・・?
元々綿えもん達はゾウを目指して出航したという話でしたし、ミンク族は人を寄せ付けないという話もありましたし
それでもゾウが目的地だったのは、討伐目的とかでなければサムライとミンク族に何かしらの良縁があってのチョイスでしょうし
ジャックの一件も別に侍に責任があるわけじゃないので、冷静に話せばバリエテも分かってくれるんじゃないでしょうかね
というかどんな縁があるのか、雷ぞうでも綿えもんでもいいのでさっくり解説して欲しいとこですが
ゾウを目指した経緯は、ワノ国の現状やモモノスケの素性にだいぶ関わってそうですし、だいぶ先になりそうですね