ルパン三世 VS 名探偵コナン
録画しておいて観るの忘れてました。
ここ数年のルパンTVSPで一番面白かった。
毎年夏恒例のルパン三世TVSPは
ここ10年以上面白いと思ってませんでしたが
コナンとコラボにすることによって「吉」と出たようです。
概ね満足のいく出来だったんですが
絵柄の違いはいかんともしがたい部分で
世界観の統一が得られていたら、もっと高評価になったでしょう。
ルパンの絵柄は2001年のアルカトラズコネクションあたりから
TVSPに限らず、パチンコ台の絵柄、ゲーセンの景品など
あらゆるパブリシティで2期TVシリーズ(いわゆる赤ジャケ)に近い絵柄に
統一されているようで、
キャッツアイやゴッドマジンガーでおなじみの平山智氏が
そのキャラメイクの中心にいるようです。
2000年までのTVSPでは、1989年から数作は、続けて
劇場版第一作「ルパンvs複製人間」に近い絵柄が採用されていたものの
その後は毎年違うタッチの、様々な顔のルパンを見ることができて
それもTVSPの楽しみのひとつだったんですが、
様々なメディアミックス戦略も視野に入れてか、
一般の視聴者に混乱を招かないよう、イメージの統一がなされたと
僕は勝手に想像しています。
そんな中、今回はコナンとのコラボです。
コナンのタッチはシリーズ通して、一応統一されていますから
変更するわけにもいきませんし、
こういう時くらい普段と違う顔のルパン、
コナンのタッチでルパンのキャラを描いてもいいのではないかとも思うんですが
そうするとコナンの作品にルパンがゲストで出ているだけみたいに
なりかねないので、仕方のない所なのかもしれません。
でも、同じモチーフでも毎回こだわってデザインを変えている平山氏ですから
もう少し(せめてゲストキャラだけでも)
コナンの絵柄に近づけることはできなかったのかなぁと思ってしまいます。
あと、
今回、クリカン演じるルパンの声が、ちゃんとルパンに聞こえたのが驚きでした。
生前の山田康雄が、ルパンのマネをするクリカンに
「俺が死んだらルパンはお前が演れ」と言ったとか言わないとかで
山田夫人の許可を得てクリカンが演じることになった(真偽の程は知りません)
という話を聞きましたが
僕が思うに、その山田氏の言はモノマネに対するただの讃辞で
本当に後継者として考えていたかどうかは怪しいでしょう。
ルパンの役には山田氏が相当なプライドを持っていたというのは有名な話で
自ら後継者のことなんか考えるとも思えないし
モノマネ芸人ふぜいに後釜を張らせるなんて、100%ありえません。
毎回、収録の前には山田演じるルパンのビデオを何回も観て
研究して研究してアフレコに臨んでいたといいますから、
クリカンが相当なプレッシャーと戦いながら
ルパン役を演じていただろう事は容易に想像できます。
そうやってオンエアされたルパンは
初め数年は、痛々しいまでに必死で山田康雄に似せようとしているクリカンの声、
ここ数年は、もう何だかクリカンオリジナルのルパンぽい声
という印象でしたが、今回は違和感を感じませんでした。
ただ単純にクリカンが上手くなったとか、僕が聞き慣れたとかではなく、
なんかフッきれたような、自分のものにしたような印象で
とにかく
今日からルパンの声優がクリカンであることに、僕はもう文句を言いません。
これも、コナンとのコラボということで
主役の重責が軽くなったために、肩肘張らずにリラックスしたから
とかそんな理由だとしたら
夏恒例の本家TVSPの今後が少し心配ではありますが。