ONEPIECE 776「コロシアムの英雄」
4段目「ひまわり畑」
キュロス vs.ディアマンテの戦いの図式は明確だった。
キュロスにとっては、
国と王と、そして家族を守るため、取り戻せるものを奪い返す戦い。
怒りや復讐はもはや二の次で、ひたすら突き進むキュロスに対し
スティーブン・タイラーのようだった渋みもどこへやら
表情も吐く言葉も醜く歪んだディアマンテは
キュロスと真っ向から打ち合うこともなく
その能力が象徴するようにヒラヒラと小細工を弄する。
新旧「コロシアムの英雄」の戦いなのだが
身体ひとつで純粋に力と技を競い合っていた旧時代のコロシアムで
3000戦無敗を誇ったキュロスと
観客を沸かせるための残虐殺戮ショーに成り下がった
現在のコロシアムのお山の大将ディアマンテでは、
器の大きさがまるで違った。
確かにディアマンテの能力ならどんな卑怯な凶器を持ち込もうとも
装備の重量制限に引っかかることはないので、
コロシアムのルールに反しているわけではなかっただろうが、
それこそがディアマンテが英雄でいられた所以。
道具に頼り、肉体と精神の研鑽を怠った醜く卑怯な悪役は、
不器用だが、ひたむき実直な「力」と「思い」に敗北すると
王道バトルマンガでの相場は決まっている。
僕はキュロスと、
戦士として成長したレベッカが共闘する展開があるかも知れない
と考えていたが、その考えは根っこが間違っていた。
レベッカは10年間、コロシアムで見世物にされながらも
刃のない剣で「相手を傷つけない」戦いを頑なに続けてきた。
それは亡き母スカーレットの願いであり、
レベッカの本心が戦いを望んでいないことの証でもある。
かつてリク王に救われ、生きる道をみつけたキュロスだったが
英雄と讃えられようとも、人を傷つけ殺めた後悔、
その精神の呪縛から解き放たれることはなかった。
人目を忍んで平穏を手に入れてなお
自身の血にまみれた手を、汚れていると忌み嫌っていたのだ。
そんなキュロスが
10年間も「相手を傷つけない」困難で苦しい戦いを貫いた娘に
今さら手を汚させるはずはなかった。
疲労困憊、全身傷だらけになろうとも
痛みを感じる人間の肉体に戻れたことはむしろ喜び。
「思い」の強さは小細工ではもう止められない。
最後は、新旧英雄の「力」と「力」のぶつかり合いのみ。
そうなれば、もう
語るまでもない。 かっこいいぜ、おっさん。
余談ですが:
フランキー
頭から煙吹いてるぞ・・・大丈夫か・・・
Comment
樹一っつぁんか~確かに似てるな~
しかも世代だ~!
ZIGGYのボーカル森重樹一さん説も加えて下さい!世代的には?
ディアマンテのモデルには、スティーブン・タイラー説と
ミック・ジャガー説があるみたいですが、僕はタイラー派です。
世代はヒミツです。
誰かに似てるとは思ってたけど
そうか!
スティーブン・タイラー(笑)!
世代ですか?
私はちょっぴり後です(^_^;)