Cogito, Ergo Sum

ONEPIECE 985「新鬼ヶ島計画」

 




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僕は「自由」じゃない。君の方が「おでん」かもな。

これまで、支配やしがらみと無縁で、この海でもっとも「自由」であろうとするルフィの振る舞いは、かつてのロジャーと比較されてきた。
であれば、独力で海に出られなかったおでんが、自由を標榜するロジャーとの航海でめくるめく体験をしたことに倣い、不自由なヤマトがルフィの船に乗りたいと望むことは道理と言える。
しかし、そういう理屈であったのなら、より自由なルフィはあくまでロジャー的なのであり、より「おでん」であるとはならないはずだ。
ヤマトは20年間「自由」を奪われてきた。そのせいで「おでん」たりうる条件を満たせないでいるが、ルフィは現在その条件を満たしている。
ヤマトが「おでん」を自称するうえで足りていないものは「自由」ではないのだ。



ルフィは、未だ真意の分らないヤマトの覚悟を確かめる。


お前の目の前でもカイドウをブッ飛ばすぞ。おれ達と一緒に戦うということはそういうことだ。それでいいなら、ヤマトが20年縛られてきた両手の錠を取ってやる…。

兎丼で自分とヒョウ爺の首輪を咄嗟に破壊した覇気(流桜)を自在に使いこなせる様になっているということなんだろうが、まぁそりゃそのくらいできるようになってるだろう。どうせ島から出るまでに取ればいいんだし、今すぐどうこうということはないので、取るか取らないかは、今はどうでもいい。

むしろ僕が気になるのは、ヤマトが「自分でカイドウをブッ飛ばしたいくらいだ!」という言葉の軽さだ。
「幼少期から一体どれだけあいつに殴られてきた事か」「挑むたび返り討ちにあってきた」
ヤマトはカイドウを憎んでいるけど、自力でカイドウを超えることが不可能だと考えているフシがある。

腕の錠にしたって「実の親が子を爆破するなんてウソかもしれない」とか、「でも万が一を考えると足がすくむ」とか、念願を果たすために命をかける覚悟がない。
「おでん」となって、生きて成し遂げなければならない事があるのだとしても、たとえば、片腕を切り落として一方の錠だけを誰かに島の外に持ち出させれば、命を落とすことなく本当に爆発するかどうかを確認することだってできる。
おでんの家臣だったイヌネコでさえ、それと同等のことを喜々としてやっている。

ヤマトはどうやら敵ではないようだし、鬼ヶ島の案内やカイドウに関する情報など、仲間にすれば役に立つこともあるだろう。しかし、僕にはどうにも浮ついた世間知らずにしか見えないのである。(見た目は好きなんだけどなぁ

ところで、カイドウが言う「新鬼ヶ島計画」とは…


政府・海軍も容易に手が出せない天然の要塞であるワノ国を、海賊天国としてカイドウ・ビッグマム同盟の拠点に大改造する計画で、これは彼らが「ひとつなぎの大秘宝ワンピース」を獲りにいく、すなわち世界を制覇するための足掛かりである。


王下七武海制度の撤廃をはじめとする昨今の政府の動きは、海軍本部の「新戦力」とやらが、世界中の海賊を抑え込めるという目算の上でのこと。


この「新戦力」とは、おそらく藤虎が言っていた「SSG」のことで、ベガパンクが大きく関与しているらしい。兵器なのかシステムなのか、とにかく「すげェモン」なのだそうだ。

カイドウはビッグ・マムと手を組むことで「古代兵器」を手に入れることで、その新戦力をも凌駕することを確信している。
ラフテルに辿り着き「ひとつなぎの大秘宝ワンピース」を手にすることが、イコール「古代兵器」を手に入れることだと考えているのか、そこまでの過程で「歴史の本文」から「古代兵器」の在り処を知るつもりなのかは分からない。


カイドウが目指すものは、「ひとつなぎの大秘宝ワンピース」を手にし、「古代兵器」を手にし、政府や海軍ではどうすることもできない程、恐怖と戦争に溢れた混沌の世界だ。

なぜ今なのか? なぜ今まで行動を起こさなかったのか。
これまでSMILEで戦力を増強してきたが、それが頭打ちになったから?
ビッグ・マムと同盟を結ぶことで、実現可能な戦力量が満たされたから?
科学者ふぜいが作った海軍の「新戦力」とやらが気に入らないから?
「歴史の本文」が揃う目算が立ったから?
・・・おそらく、全部なんじゃないだろうか。いろんな条件がカイドウたちに「今だ」と考えさせたのだろう。



「ワンピースはおれが貰うっての!」じゃねぇ。

カイドウの目論見が成功すれば世界は確実に終わる。ルフィにはそれすら大した問題ではないのだろうが、全読者的には、カイドウ・ビッグマムの同盟は最優先で潰さなければならない巨悪と認識されたはずだ。

世界政府やイム様もとんでもない巨悪に感じるが、空白の100年やDの一族との因縁が明らかにならない限り、彼らのしていることが絶対的な「悪」とは断じることはできない。
黒ひげはいかにもラスボスっぽいが、海賊団の規模的に今すぐ世界がどうなるという様な脅威ではなさそうだし、何を考えているのかが分からないので対策の立てようがない。

この今すぐにでも何とかしなければヤバそうな、とんでもない規模の悪の軍団を、ルフィたちはどうやって止めるのか。・・・その鍵となりそうなのが「ワノ国」そのものである。

カイドウは「新鬼ヶ島計画」に際し、自分たちの組織外のワノ国の民をすべて奴隷化して武器工場を強化し、ワノ国を海賊の帝国に作り変える。その中枢である鬼ヶ島の機能を花の都に移し、ワノ国は消滅。


ヤマトを将軍とした新国家「新鬼ヶ島」の誕生を宣言。


寝耳に水の暴論に猛反発するオロチを一刀両断し、オロチの部下の侍たちに、カイドウに従うかどうか決断を迫った。


カイドウは部下に忠誠や恭順を求めていない。もとより海賊団の戦力増強のために、強い戦士の心を折ってただ手駒として使ってきたのだ。そしてこれから作ろうと考えている理想の世界は、暴力が支配する世界。恐怖で従わせることしか考えていない。

福ロクジュはじめ、部下の侍たちがオロチを心から尊敬していたとは考えにくいが、カイドウに従うことの意味や、ワノ国の滅亡には思うところがあるはずだ。オロチが失脚した今となっては、意を翻し赤鞘の侍たちに向き倣う者が出てきてもおかしくない。ルフィたちがザコ兵も含めた絶望的な戦力差を埋めるには、これしかないと僕は考える。

まぁ、ぶっちゃけオロチ死んでないだろうけどな。ヤマタノオロチの能力者だから首一つくらい失ったって死なないだろ。
とはいえ、オロチの能力は相手をビビらせるだけで実戦的ではなさそうだし、おでんの伝説を丸まる上書きしてパクったような二刀流も実際にはどれほど強いのか疑わしい。
生きていたところで、カイドウという後ろ盾を失ったオロチには、もはや求心力は皆無に等しいだろう。


ということで、カイドウがオロチを見限るということと、ヤマトを将軍にしようと企んでいるという点において、僕の予想は部分的に当たったことになるが、想像したよりも急展開でビビったわ。


さて、一方その頃


鬼ヶ島の裏口では、赤鞘の侍たちをカン十郎が待ち構えていた。
ローたちの姿が見えないようなので、彼らは2つある下の方の入り口から潜入したのだろう。


宴のステージでどんな発表がされているのか知る由もなく、カン十郎はただ「時間稼ぎ」という任務を全うするつもりだ。
このままだと終わるのは「光月」の歴史ではなく、「ワノ国」そのものなのだがな。


モモの助を想うあまり、菊之丞が進み出る。


受けて立つカン十郎。拮抗する二者の剣戟。

そして、カイドウのスピーチもたけなわの頃、血が滴る刀と涙を流す菊之丞・・・いったい何が?


これは、色々考えられるな。

まずこの血は誰の血か。カン十郎か、菊自身の血か、それとも別の誰かか。
刀と一緒に映っている脚は菊の脚だが、刀が菊のものとは限らない。後ろから刺されて菊が無念の涙を流しているのかもしれないし、カン十郎を斬り伏せたものの実は裏切ってなかったカン十郎の真意を聞いて涙したのかもしれない。
はたまた、菊自身も実は裏切り者で、実の兄イゾウを斬り、複雑な感情を噛み締めているのかも・・・。
これだけでは分からないなぁ・・・

今回は合併号なので、休載でもないのに次回は二週間後だ。待ち遠しいなぁ。


あとなぁ、


カイドウの部下たちが、素顔のヤマトを「ヤマト様」とちゃんと認識してる。
この姿を知ってて「ヤマトぼっちゃん」てのは無理があるわな。言わされてるんだとすれば、やはりカイドウが息子として育てたってことなのかなぁ・・・

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Comment

  1. 匿名 より:

    ヤマトにもツノありますよね。かぶり物ではないですよね。やはり鬼族ってことでしょうか?

    • BIE(管理人) より:

      カイドウの素性がいまだ不明ですが、ヤマトにも角があるってのは大きなヒントかも・・・ですねェ

  2. 匿名 より:

    SSGはエンジェルハイロウ的なものなのかな?万物の声を聞く能力の人工版的な。

  3. 匿名 より:

    オロチもそう簡単に死なないでしょうね・・。

    首、何本もあるから(笑)

  4. 匿名 より:

    ヤマト、アンドリギュヌス説…。

  5. 匿名 より:

    覚悟が道を切り拓く、と誰かが言ってましたけどヤマトもその時がきっとくるでしょう。気長に待ちます。

  6. 匿名 より:

    そして、ルフィとヤマト。どうやら、ルフィはヤマトを疑わず手枷も取ってあげると(まだ状況上取れてないが )言っているあたり共闘する気ですね?安心しました。それはそうと、ヤマトはやはりカイドウからは長年虐待を受けていた&手枷のせいで辛い日々だったよう。それで、会話から察するに28歳なのかも?それと、今はヤマトがルフィ側の味方ということはルフィしか知りませんが仲間が知ったらどうなるのか?半信半疑か?それとも..?

    • BIE(管理人) より:

      ヤマトは信用してもいいけど、頼りにはできないと思います。
      確かに他の仲間たちはどう思うでしょうね。

  7. 匿名 より:

    まずは、カン十郎!!あのモモの助の対応を見るたびに超ムカつく!!( *`ω´) クズ十郎orクソ十郎と言いたくなるくらいに!やはり、縄を切ることには成功したようですが即捕まって少しカン十郎の手にかすり傷は負わせたようですがその後に馬乗りにされてミンチ(サンドバッグ)にされたようですね?で、予想通り菊の烝がブチ切れました! ただ、ラストのシーンの意味は?推測するにカン十郎にとどめを刺した(殺したかまでは不明だが)がそれでもやはり未練が残っているということなのか?
    個人的にあのラストシーンにて菊はとどめは刺したものの殺すまではしてないと信じたいのです…。

    • BIE(管理人) より:

      僕は、素直な印象を大きくひっくり返されることを少し期待してます。
      菊もまた向こう側の人間だった…というのも、その可能性のひとつですね。

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