ONEPIECE 1103「ごめんね、お父さん」
父くまの記憶をすべて見たボニーは、
ベガパンクと和解。
真に憎むべきはサターン聖であると気づいた。
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そして話は現在に戻り、ボニーはサターン聖の手の中で命を握られていた。
五老星が戦地に赴くことなど通常ならあり得ず、五老星への謁見を許されない将官未満の海兵はサターン聖が見える範囲への進入を禁止されるという“縛り”が課せられた。
そのせいで海兵たちの指揮系統に混乱が生じているが、結果として“四皇”麦わらの一味を相手にするうえで「量より質」の精鋭だけを投入することとなり、大佐以上を投入するバスターコールよりもさらに厳しい体制となった。
サターン聖の禍々しい姿は、一部ネットでは「鬼蜘蛛」「牛鬼」と喩えられ、動物系幻獣種の能力者か、さもなくば地球(この星)外からまたは異次元からの異形の生物である可能性が示唆される。
後者の場合、五老星やイム様がそもそも人間ではないこととなり、彼らの選民思想や、かつて現地民や真相を知った人々との間に軋轢が生じたことに説得力が増す。
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ボニーは、ニカをイメージした「歪んだ未来ディストーションフューチャー」で抵抗、脱出を試みるが思うように力が入らない。
するとサターン聖から驚くべき告白が…。
ボニーの「トシトシの実」の能力はサターン聖が与えたもの。直接“実”を食べられない赤子に“エキス”で能力を与えることができるかの“実験”だったという。
続けてサターン聖は云う。
その能力はいかなる未来にも変身できるが、現実を知るたび選べる未来が狭まっていく。ニカの存在を信じきれない心が、能力を弱くしていると。なにその「ドリムノート」みたいな能力… 可能性無限大じゃん!
さらに、ジニーが罹患した青玉鱗もまた、非道にもサターン聖の指示によってなされた「薬物実験」の結果だったことが明かされた。
これらから分かることは
「トシトシの実」の能力は、ジニーが命がけでマリージョアを脱出する時にはすでにボニーの身体にエキスとして注入されていたこと。
サターン聖は「トシトシの実」の能力の詳細を知ったうえで不要と判断し、廃棄覚悟の実験に使用したこと。
病気になったことを理由に天竜人から離縁されたはずのジニーは、意図的に病気にされていたこと。
世界政府が誕生した経緯を考えれば天竜人は「人間」だが、五老星がその中から突出した才能たちなのか、そもそも別異の存在なのかで彼らへの理解は大きく変わってくる。
仲間の“お気に入り”で人体実験をすることは流石に考えにくいので、ジニーの“夫(飼い主)”がジニーに飽きてモルモットとして差し出したか、でなければ、この狼藉は五老星と天竜人の間にも「人と虫」レベルの意識の別があるということになる。そして五老星と下々民ならばその別は云うまでもない。
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諸悪の根源・忌々しいサターン聖の力は、頼もしかった仲間の「人間」を不思議な力で無力化し、未来を前向きに生きる頼りだった自身の「悪魔の実」の能力も、そのカラクリも、そして何より父と母と自身の運命すべてが、サターン聖の掌の上だった事を知らされてしまった。
また、何処から来たのかその正体は何ものかも今はまだ分からないが、少なくとも彼の意識は「人間」とは別の次元に存在し、話の通じる相手ではなかった。
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12歳の少女は絶望した。
そしてボニーが命を諦めたその刹那・・・
くまは身体に残されたわずかな「本能の欠片」の赴くまま、ボニーを救いにやってきた(…のかもしれない)。マリージョアに上陸したのはただ通り道だったから…ということになる(迂回して行こうとか考える自我がないので)。
そして(自我がないので)躊躇なく渾身の拳を振りかぶる・・・。
ボニーが刺した傷は血痕すら消失したが、果たしてくまの拳はサターン聖にダメージを与えることができるのか。
さて、
ベガパンクがボニーに「渡さなければならないものがある」と云っていたモノ。
それはくまからの10歳の誕生日プレゼント:太陽のネックレス。
僕にはデザイン的にまったく「太陽」には見えないんだが、くまとボニーにとっては、そう思えることが大切なんだろう。なんといっても「太陽」はニカの象徴。希望の灯だ。
そしてマンガだと黒く塗られているので判りにくいが、サファイアとは青い宝石。青いうえにこのデザインでなぜ「太陽」と思ったのかはものすごく疑問ではあるが、問題はそこではない。このサファイアがなにを意味しているかを考えれば、それは彼らを苦しめた「青玉鱗」であり、ジニーとボニーの絆を意味しているに違いない。見知らぬ母ジニーも常にボニーと供にあると伝えたいのだ。
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ところで、
ルフィに食べ物を施したのは誰なのか。
周囲の仲間はサターン聖の謎の圧力で動きを封じられている。
上空の研究層から落とすことはできたかもしれないが、誰もそれに気づかないなんてことはないだろう。
・・・となると、海兵の中に手引した者がいるのか? この辺りには少将以上しかいないし、そんなことを少しでも考えそうな奴は黄猿以外にいないが、黄猿も自己申告によると今は動けないらしいので違うだろう。
麦わらの一味の味方側の勢力で、サターン聖の圧力をくぐり抜けた者がいると考えるのが妥当に思う。全ての戦力はルッチを通して報告されているのでサターン聖の認識の中にある。ただ・・・あいつはどうだろう・・・
カリブーだ。(それほど味方側…じゃないが…
カリブーは厳密には仲間じゃないしずっと姿を現していないのでルッチにもその存在を知られていない(はずだ)。
カリブーなら液体化することで周囲に紛れてルフィに近づき、大量の食料を出すことができる。
ただし、見た目に分かりにくかったとしても、ルフィに近づく存在に気づかないのは、人間以上の存在様にとって「お粗末」としか云いようがない。
サターン聖はくまが上陸して近づいていることもにわかに信じなかったし、「見聞色の覇気」的なものを持っていないのかもしれないな。
その辺に、サターン聖の攻略の鍵が在ったりなかったり・・・するのかも・・・しれない。
あとはルフィの復活と、動力が謎の古代の巨神兵に賭けてみようかね・・・。
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あと余談だが:
“実”を食えぬ赤子に“エキス”で能力を与える実験ってさ、“物”に悪魔の実を食わせる技術に通じてるよね。
“物”に悪魔の実を食わせる技術はベガパンクの近年の大仕事と云われているみたいだが、赤子のボニーを使った実験は12年も前に行われている。
一般的に「近年」とは、ここ10年未満の数年を指す言葉らしいので少し違和感を覚えてしまう。
ベガパンクが政府のお抱え科学者になったのは24年前より以前らしいので、どちらもベガパンクの研究の成果なのかもしれないが、人道的配慮やリスク回避などを考慮して実用化のめどが立ったのが「近年」ということだろうか。
ボニーの実験はコンプラ定義がなされる以前のその技術を用いて、実用化に先んじてサターン聖が独自に行なったということになるかな。
サターン聖自身も科学者を名乗っていたが、自分でちまちま臨床実験するタイプには見えないので、ジニーの薬物実験も誰か優秀なマッドサイエンティストの成果を勝手に使っているんじゃないのかね。
裏でクイーンとも繋がっていたりしてな・・・。
Comment
ルフィに食料を届けた人物について、突飛ですが「S-シャーク」がスイスイの能力で…なんてどうでしょう?
威権とか関係なく、オリジナルのジンベエからの依頼(命令)には従うとか
なるほど、
ハンコック天使(ルフィデレ)の例がありますから、威権と関わりない関係性による意思決定というのは、現状では否定できませんね。
あるかもしれません。
ルフィが復活してニカの姿になれば、ニカを信じるボニ―もパワーアップ、黄猿も加わればなんとかなるか?
にしてもサターン強すぎですし、くまがいる絶体絶命な状況がシャボンディの時と似ている感じがあるので、
古代ロボの力を使って脱出が精いっぱいな感じもします。
そうですね。
この地でサターン聖を倒す ってのはちょっと無いように思いますね
ここに来てまた新しい可能性が見えてきましたね。
そうするとこれまで忘れ去られている存在だった「宇宙海賊」の話が浮かび上がってきます。
もし彼らが別の星から飛来してきた生物なのだとすれば…
もしくはまったくの別次元の生物だとすれば…面白くなってます。
扉絵まとめてますから「宇宙海賊」のことはずっと気になってたんですが、ここで持ってくるのは少し陳腐な感じもするんですよねぇ・・・
でも「外来」のイメージ強くなってきたのも事実。
どんなビックリ展開をしてくれるか楽しみですね。