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ONEPIECE 1132「エルバフの冒険」

 




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巨兵海賊団の船がエルバフに帰還。
「港に着いたら即乾杯」と云っていた巨兵たちだが、港の酒場には寄らず、そのまま彼らの村があるウォーランド中層の“陽界”まで船で直接行くらしい。


そんなことができるなら「港」は何のために存在するんだよ? …と思わないでもないが、海賊や漁師なんかはやはり海に近い場所を拠点とした方が便利だろうし、国外からの訪問者が寄港する場所も必要だ。
中層への移動手段として使われる「虹の橋」は天気が悪いと出せないらしいしな。

北欧神話には、地上と神々の王国を繋ぐ「ビフレスト」という虹の橋が登場するので、それがモデルなのだろう。それは神々のためのもので巨人は通ることができないとか、7色ではなく3色だとか、いろいろと違いはあるようだが。

本作中では「虹の橋」とは呼んでおらず、単に「虹を渡る」と表現している。
見たこともないスケールの常識・文化を当然のごとく振りかざされて、もう有無を云わせない説得力がある。


“太陽石ペインター”という道具で描いて出すというし、物理的に上を渡れるし、船が垂直に張り付いてもそれを吸い上げる力を有しているし、我々が知っているいわゆる「虹」とは別のもののような気もするが・・・
遥か水平線の彼方に見ていた「虹」の正体が実はこうだった。科学的な解説はそれを理解するための御託に過ぎなかった・・・と思った方がロマンがあっていい。

ちなみに北欧には“太陽の石”という伝承もあって、これはヴァイキングたちが悪天候でも太陽の位置を知ることができたという航海のための謎アイテムだったそうだが、どんな形状だとか原理とかその詳細は不明。



ところで、地上である「冥界」と中層の「陽界」を行き来するには、吊り橋を渡るという方法もあるのだが、ルフィたちに振る舞うためのヘラジカ(爬虫類にしか見えない)を狩ったハイルディンとスタンセンは、ヘラジカを運搬するのに一度海に出て虹を渡るルートを選んだようだ。
ま、ふたりで担ぎ上げることができるとはいえ、吊り橋は狭いし不安定だからな。


結果、タイミングよく帰還したドリブロの船が架けた虹に便乗したわけで、スタンセンの言によるとどうやら天候が良ければ地上でも「太陽石」が使えるらしく、とはいえ地上から虹を架けたら船を乗せられないし、虹は歩いて渡れるようには見えないので、その場合はいかだでも作るつもりだったんだろうか。

一方、なぜか「冥界」から飛び上がってきたルフィは、吊り橋の上でゲルズ・ゴールドバーグと遭遇。


ナミたちをふたたび捕らえようとしたロードに追いつき、彼らとも再度合流した。


一味はとうとうエルバフの村に足を踏み入れる。


壮観───

「“巨大”とは感動である」とは、探検家:ルイ・アーノートが遺した言葉だそうだが、僕が昔グランドキャニオンを実際に見たときのゾクゾクした感情に近いのかもしれない(余談)


誰もが期待と興奮に目を見張り、息を呑み、言葉を失う。

リリスの情緒に変化がないのは、おそらく来たことがあるから。もしくはステラの経験を共有して知っていたから、だろうな。虹の橋も初見ではなかったみたいだし。
満面の笑みからは「どうだ凄かろう? ま、わしは知ってたけどな」という感情が読み取れる。科学者脳でも感動を共感できるエルバフの絶景って素晴らしいんだろうな。
ただ、サンジだけはゲルズの胸の感触に夢中のようだが・・・。

さて、今回のサブタイトルは「エルバフの冒険」だが、1127話から「謎の国の冒険」ははじまっていたものの、“エルバフ”の冒険はまだはじまっていない。すべてはこれからだ。

いや、厳密にはルフィがロキと会った時点ですでにはじまっているのか。



さぁ、すべてが大らかなる神秘の土地「エルバフ」で彼らを待ち受けるものはいったいなにか。
ってか、この絵の手前歩いてるシルエットって、1124話のラストで「来い…」ってつぶやいてたやつじゃねェの?


1124話のときは編笠を被ってるように見えてたけど、今回のは笠に加えて蓑を羽織ってるようにも見えるね。それとも編笠の行商人かな。

この人物、一部では扉絵特集第19弾「世界の甲板から」Vol.16で双子岬を訪れていた人物じゃないかと云われてるみたいだ。

世界の甲板から Vol.16
『双子岬』

蓑ではなくてマントを羽織ってるけど、僕はこの人物はシキだと考えてるので、もしこの人物なのだとしたら、金色のシキが本編にまさかの登場ということになる。

基本的に劇場版はパラレルというかアナザーワールドだけど「STRONG WORLD」だけは特別だとオダッチも明言してるしな。


何より、シキはマンガ本編に(直接ではないが)すでに登場してるからな。あり得るわ。

最後にひとつ、今回もっとも気になったポイント


「冥界」から飛んできたことをゴールドバーグに問われたルフィが、ものすごく挙動不審な件。こんなに動揺するルフィ見たことない。


どうやらロキとなにか“約束”をしてきたみたいだが、先のやりとりではロキは自身を拘束している鎖の錠の鍵を求めていた。


シャンクスの情報と引き換えに、村のどこかに保管されてる錠の鍵をルフィに盗って来いということなのだろうけど、いかにシャンクスのことを聞きたかったとしても、後ろ暗い思いをしながらそんな交換条件をルフィが飲むものかな・・・。

不意に追求されて、動揺して、云い淀んで、ものすごい冷や汗をかくなんて、なんかとんでもない弱みを握られちゃった?
か、そう思わせといて、実は全然なんでもないことをルフィが勝手にビビっているか・・・。

気になるわ・・・

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