ONEPIECE 1133「褒めてほしい」

虹を渡った巨兵海賊団のグレート・エイリーク号は、エルバフの中層“陽界”の西の村の港に着港。

彼らが「港に着いたらすぐ宴会」と云っていたのは、どうやらこっちの港のことだったらしい。

巨大な樹の上だとはいえ空島ほどの上空ではないはずだが、そこには海雲や島雲が安定して揺蕩っており、リリスによればそれ以外にも「シャボン」「ホバー」などの技術が当たり前に使われているそうだ。「ホバー」って何だ・・・？

吊り橋から島雲へ、陸路で村を望んでいたルフィたちは、ゲルズが漕ぐ“霧舟スヴァル”で村に降り立ったが、島雲の浮力を使って浮かぶこの技術が「ホバー」だろうか。

│

ハイルディンとの再会や新巨兵海賊団の紹介もそこそこに、村を挙げての大宴会がすぐにでも始まる勢いだったが、ロビンには個人的にもっと、とても大事なことがあった。
ロビンは何よりもサウロに会いたいのだ。

ルフィを筆頭にひとり残らずロビンに同行する麦わらの一味。
ルフィがサウロに挨拶したいというのは、

エースが「ルフィの命の恩人」シャンクスのもとへ挨拶に行ったことを思い出す。

最近どこかで聞きかじったのではなく、幼い頃のエースたちとの記憶なのだろうな。

│

サウロは図書館をつくってオハラから救出した文献を収め、歴史について皆に説いているという。誰を相手に歴史を教えているのか気になるところだ。エルバフの民限定なのだろうか・・・。

海岸のような趣きになっているその図書館の梺に呼び出されたロビンだったが、そのとき一大事が。
前々回のヒキにあった通り、サウロが倒れて動かないという知らせ。

│

しかしどよめく一同をよそに、海岸に倒れたサウロを見つめるロビンからは笑みがこぼれた。

│
昔と同じ構図、同じセリフでロビンを驚かそうとするサウロ。

22年ぶりの再会が照れくさくて茶化したというが、おそらく湿っぽい再会にならないよう配慮したのだろう。
まぁ、ロビンだって髪を切ったのは懐かしさに逸る気持ちを抑えられずにだろうし、互いにあの出会いの瞬間をそれだけ大切な思い出として記憶していたということだ。

│

サウロはオハラでクザンに凍らされたあと、島の炎で氷が溶けて海に落ち、半ば溺れながら意識を取り戻したという。
バスターコールの戦火が鎮まったあとには状況確認のために海兵が多数上陸していたが、そのときにはすでに脱出していたことになるな。

火傷なのか凍傷なのか、全身を怪我していたというから命の危険もあったのだろうな。右脚失くなってるし。
巨人族にとっての22年といえば人間の寿命換算でわずか7年位だが、黒かった口ひげが白くなっているのは苦労したからなのだろうか。

なんとか生き延びたサウロ、しばらくしてようやくロビンの生存を知ることができたが、しかしそれはとんでもない悪評だった。

│

冒頭の回想シーンを見て、あまりに希望のないその救われなさに胸が痛む・・・

罵詈讒謗を投げかけられ、命を狙われ、懸賞金に目が眩んだ金の亡者に襲われ、食うものもなく芥泥水を啜って、市井の無為の悪意に晒され続けた。
「いっそひと思いに死んでしまいたい」という考えにいたっても無理がないほどの深く果てしない絶望の中で、

ロビンを生かしたのは「母の願い」と「サウロがくれた希望」だった。

しかし、そんな話はすべて過去の話。
辛い過去だった。本当に辛かった。
「生きろ」と云われてその通り生き延びる、たったそれだけのことがどれだけ困難だったか・・・

だが、今やロビンはサウロが教えてくれた通り、掛け替えのない仲間を手に入れ、一人ぼっちではなくなった。

わずか8歳の子どもが絶望の淵を超えて22年を生き抜き、笑顔でまた会えたことを悦んでほしい。
「生きたこと…　褒めてほしい！」

ずっと独りで生きてきて、ルフィたちと出会ってもどこか年齢以上に大人びていたロビンが、子どものように甘えている。

思えばロビンには、優しくしたりときに叱ったりしてくれる大人がいなかった。
優しかった考古学者たちは、ようやく会えた母とともに命を絶たれ、優しくそして厳しく未来を指し示してくれたサウロは長らく生死不明だったのだ。

サウロはロビンにとって、ただの恩人にあらず。親も同然の存在なのだ。

感涙の再会。

│

随行してきた一味の6人も感動のもらい号泣。ルフィは満面の笑み。
まぁ・・・ゾロはともかく、ジンベエはどんな顔してんだろな。

ホロリとしてるかな・・・。

│

余談だけど・・・

ロビンがここまで酷い境遇に追い込まれたのは、92％くらいこいつのせいだよね。

スパンダイン