ONEPIECE 1152「ヒドい一日」

ギャバンが語る「神の騎士団」の“不死身の肉体”攻略法・・・それは「覇王色の覇気」。
それを聞いたロキは、自分なら「神の騎士団」を確実に仕留められる確証を得たようだ。
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だが、ロキは14年前に城の兵士を113名も殺害し、ヤルル様の頭に剣を突き立て、実父ハラルド王を惨殺、そしてエルバフに伝わる「禁断の悪魔の実」を奪ったとされており、ハイルディンとしてはロキを解き放つわけにはいかない。
エルバフ総意の倫理的な問題と、ひとたび野に放てば自分には止めることができない(=責任が取れない=取り返しがつかない)ことが大きな障壁、しかしハイルディンにとっては何か別の個人的な理由(感情)で頑なになっているように思える。
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14年前にアウルスト城で何が起こったか。
当時その様子を垣間見たギャバンに促され、ロキが語りはじめる。
ハラルド王に呼ばれたロキはヤルル様に悪態をついていた。
この頃すでにハラルド王政は世界政府の意向を汲み融和政策の道を進んでいた。まぁ、その考えは63年前にすでにあったので、時間をかけて国中に浸透し、その政策下で生まれた子どもたちがぼちぼち育ちはじめた時期ということだろう。
ロックスのことはさておき、その状況が気に入らないロキの言葉には、ヤルル様も「まんざら分からないでもない」風に見える。
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そのロキが王の間に乱暴に押し入ると
兵士たち総掛かりでハラルド王をめった刺しにしている凄惨な現場に遭遇
シルエットで描かれているためこれが真にハラルド王かが未確定だが、ヤルル様とロキの驚きようからして間違いあるまい。
だが、兵たちの持つ槍とは形状が異なる鋭利な物体がふたつかみっつ・・・これは何だ。ひとつはヒゲか?
ちなみにこの頃のハラルド王には「角」はすでにない。
兵たち以外の何者かの攻撃を受けているのか、またはハラルド王が異質なものに変型・変態しているのか。
そしてその後に起きた事件の断片がいくつか描かれ、さらなる過去の回想へと遡る。
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今より109年前なので、ドリブロ船長ズが全盛期で「巨兵海賊団」の名に世界中が震えあがっていた頃、「海賊」でもなんでもない“ハズ”の国王ハラルドは
手のつけられない程の“クズ”だった。(笑い方がパワハラ…)
・・・いや、コレちょっとデカすぎない!? 配下の巨人兵の3倍くらいあるで・・・
・・・ロキも似たようなもんか・・・
うん・・・まぁとにかく
“クズ”だったらしい。
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この“クズ”が今では「名君」と国中に讃えられているんだから、彼になにか大きな出来事があってものの考え方が、あるいは人格そのものが変わってしまったということだろう。
どんな偉業をたくさん残そうとも、過去に蛇蝎の如く嫌われ、世界中に恐れられた“クズ”だった事実は消えないんだが、なぜだか現在のエルバフの民でそんなことを云う者はいない。
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さて、109年前からはじまるこの回想で、ハラルド王に何が起こるのか。
何が起きようとも、彼が「心を入れ替える」なんてことは起きる気がしないが・・・
ちなみに、ドリブロ船長ズが消息不明となった巨兵海賊団の残党がマリンフォードであわや公開処刑という時に、突如現れ彼らを公然と救い、エルバフの民から敬愛されることになるシスター・カルメル(のちのマザー・カルメル)の登場は100年前あたり。
カルメルは世界政府と通じていたし、63年前頃に「略奪より交易を」とエルバフに吹聴していたのもカルメルだ。この頃はヤルル様もまだ平和ボケしていなかったようだな。
ま、とにかくカルメル出てくると思うよ。政府のエージェントとしてね。
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さて、14年前に話を戻して、王城「王の間」で衝撃のシーンが展開されていた頃、
陽界のギャバンの家にはシャンクスが訪れていた。
シャンクスはマリージョアでハラルド王と仲良くしていたそうで、なにか重要な助言があって会いたいと思っていた矢先、王城の大虐殺事件が起きてしまう。
聖地じゃ話せないからここで話したい
という物云いは、マリージョアに自由に出入りできる身分であるように聞こえなくもない。
「バギーと気楽な海賊をやるつもりだったが、人生が一変した」と云っているが、このときすでに赤髪海賊団を旗揚げしているかどうかは不明。とはいえ、ティーチにつけられたらしい左目の傷があるので・・・海賊になってるんだろうなぁ。
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ところで、湯船に浸かるシャンクスの左腕にあるタトゥーに、ネットの皆さんは夢中のようだ。
五芒星ではないがこれがそれに類する軛となっていて、イム様の尖兵となることや、身体を強制転送されたり乗っ取られたりすることを疎ましく感じていたシャンクスが、この2年後に、ルフィを助けるためにならこの紋章ごと腕を失ってもむしろ好都合と考えた可能性が浮上したからだ。
シャンクスが近海の主ごときに腕一本取られるのは不自然だとみんな思ってたもんな。オダッチうまいこと考えたな。・・・まだ分からんけどね。
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だが僕はそのことよりもむしろ、このときシャンクスとギャバンが語らっていたことに少々驚いている。
だって、そうなってくると
「互いに死んだと思ってた旧友」が、ギャバンのことではなかったことになるじゃんよ。
じゃああとはロキ・・・のことかなぁ。
あれだけ向こうからは憎まれてるロキのことを“旧友”とは、ずいぶんな皮肉だわ。
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さて、現代パートに戻って
ギャバンから「覇王色の覇気」が自覚なしに体に馴染んでいると指摘されたゾロ。
ルフィはとっくに気づいていたそうだが、まぁルフィはレイリーから覇気全般の詳しいレクチャー受けたからな。
ゾロは剣士として剣に「武装色」を纏わせて黒刀化させることばかりに意識を向けていたってことだろう。ミホークが気づかなかったはずもないが、「武装色」を鍛えるのが第一で「覇王色」はその次と思ったか、またはそこまでの義理はないと考えたか・・・。
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で、そのとき
おれは!?と必死のサンジの質問は、ロキの怒鳴り声でかき消されてしまったが、サンジとギャバンの会話はその間も続いていたような描写がある。
これはサンジも持ってると思っていいだろうね「覇王色の覇気」。
一味の「No.2」をどうあっても譲りたくないサンジと、「No.2」に興味はないがサンジには負けたくないと思うゾロ。
こいつらって、ギャバンとレイリーの関係性に似てるな。面倒事にすすんで首突っ込むキャプテンにふりまわされるってのも・・・。