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我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1153「ロキ誕生」

 




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いまや“名君”と国中に慕われているエルバフの先王ハラルドは、どうやらドリブロたちと同じ世代。
古代巨人族の血を濃く受け継ぎ、天性の「巨体」「怪力」そして「地位」も後押しをして、ハラルドは増長しまくり、傲慢極まりない傍迷惑な人物に成長した。


これが「国王」だってんだから、国の威厳もあったもんじゃない。強く勇猛であればそれでいいのか、伝統や誇りはいったいどうした?先代やその重臣たちは何を考えて譲位させたんだろうか。

海賊でもないくせに、気まぐれに海へ出ては思いのままにふるまうため、遭遇した船や町は、特に理由もなく壊滅的な被害を被ったりもしたようだ。
前回は「クズ」と表現されていたが、その実態は「ガキ」だ。物事の道理を知らず思慮浅く単細胞。

そのハラルドに転機が訪れたのはイーダとの出逢い。


とある人間の町で見世物となっていたイーダを、力ずくで“救出”したハラルド。その動機は種族を馬鹿にされた怒り60%ときまぐれ35%にわずかな善意。


だがイーダは感謝するどころか、ハラルドを張り飛ばした。


かつてイーダは漂流して瀕死だったところを救われ、以来一部の理解ある人間と共存してきたのだった。
イーダを介してしだいに人間と打ち解け、それまで自分の物差しでしか見ていなかった外界の文化や風俗にも興味が出てきた。


そしてハラルドはすっかり改心、105年前には過去を猛省し、他国と交流を深めることを宣言する。
ヤルル様・ヨルル様もこの変化を歓迎しているようだった。
ちなみに、当時もドリブロの巨兵海賊団は世界で暴れ続けているが、それはそれ。ルールは定めるがそれを大きく逸脱しない以上海賊は海賊・国家は国家、同じ目的で運営されるものでもあるまい。


81年前にイーダはハイルディンを出産。しかし、伝統を重んじる王家の重臣たちの反対にあい、婚姻は認められなかった。

あのワガママ放題な“ガキ巨人”を国王に据えておいて、今さらハラルドのやりたいようには断固としてさせないこの重臣たちには呆れるしかないが、怒りに任せてそれに反発し無理を通さなかったことは、色んな意味でハラルドが利口になったことや、当人のイーダが納得していることに加え、伝統的に「血」というのがそれだけエルバフにとって重要だということなんだろう。


それからしばらくして、ハラルドは、重臣たちが薦める血筋と美貌・知性に優れたエストリッダを正妻に迎え、



63年前、ハラルドが遠征で不在のさなか、エストリッダはロキを出産、しかし・・・


その悪魔的容姿に恐れおののいたエストリッダ自らの手により冥界に投げ捨てられた。


いったいどんな本能に従ったというのか、生まれて間もないロキは、冥界で襲いくる巨大な熊を縊り殺し、巨木をひたすらよじ登り、なんと陽界へと自力で戻ってきたのである。

・・・うん、これは恐ろしい。
人間の赤ん坊がハイハイをするのは早くても5〜6ヶ月くらいといわれている。巨人族の年齢計算式に照らせば、巨人の赤ん坊なら1年半は自力で移動できないことになる。
にも関わらず、ロキは生まれてすぐ這い回るどころか、巨木を登ってきたのだ。その高さは異様な覇気が突然現れ、森林火災が起き、多くの人々がどよめいても、それらの出来事にルフィがまったく気づかない程の距離である。

まぁ、巨人族の年齢換算を云々すると妊娠期間も2年4ヶ月とかになっちゃうので、おそらく単純に「人間の3倍」ではないのだろうが、それにしてもロキのこれはどう見ても異常だ。それが血まみれで自力で戻ってきたら、そりゃ悪夢だわ。エストリッダでなくとも卒倒不可避よ。

とにかく、生まれて直後のこの行動。カタクリの「生まれてこの方背中を地面につけたことがない(嘘)」ってのもたいがいだったが、まったく比べ物にならないバケモノ具合といえるだろう。

それでも周囲が慈愛に満たされていたならば、ただ「目付きが悪い」で済んでいたかもしれないところ、ロキの不幸は生母が占術に詳しかったことかもしれない。方位や縁起をことさら気にするエストリッダにとっては、凶事以外のなにものでもなかったのだ。
ワンピの世界にはこんな眼のキャラほかにもいっぱい居るのに、角が生えてるから余計に悪魔っぽく見えたんだろうな。


生まれてすぐの王の子を王妃自ら殺そうとした、なんて事実は包み隠されるべき大事件だが、なぜだかこのことは国民に知れ渡っちゃったんじゃねェかな。


「その出生が悪魔じみてる」とでも知られない限り、これからいかにエルバフに不幸ばかりが続こうとも、それをロキのせいにはしたりしないだろ。

ここからの数年、ハラルドは外交問題で悩まされるそうなので、おそらく育児に携わっていない。ロキがまともに育たなかったのはエストリッダとお世話係が悪いよな。(もちろんハラルドも…だが)

さて、
ハラルドが「戦いより他国との交易を」と訴えたことについて、僕はカルメルの入れ知恵でその背景に世界政府がいたのでは…? とずっと書いてきたわけだが、今回、イーダとの出会いをきっかけに狭量だった自分を省みた結果だったことが分かった。

だが、僕はまだカルメルが出てくる可能性を捨てていない。
ハラルドが国交の壁に悩んでいる時に、救済策をもって現れるんじゃないだろうか。


確かに、105年前に過去を悔い改めたハラルドは「交易」については何も云っていなかった。


63年前に「略奪より交易」と唱えていたのはハラルドよりもカルメルという認識なのであれば、ここにカルメルが絶対に(悪意をもって)介在するはずなのだ。
63年前といえば、ロキが生まれたまさに“今”。
リンリンがヨルル様を殺害し、カルメル率いる「羊の家」一行がエルバフを追放される頃には、その考えは今後のエルバフの趨勢を占う選択肢のひとつとして定着しつつあった。

実際、ハラルドはマリージョアへ行き来していたらしいし、ソマーズたちともエルバフの進むべき道について協議していたようだ。


諸外国との交流を政府に阻まれて悩むハラルドに解決策をもって現れるのは、カルメルに違いないとおもうんだ。ってか、時期的にはもう現れてるはずなんだけどね・・・。

ところで、前回109年前とかいうからさ
32歳女盛りのDr.くれは、登場しねェかなぁ・・・と思ってたんだけど・・・ちょっと関わりなさすぎたかな。
若い頃のDr.くれはが出てきたらさ・・・アニメではやっぱりあの「でぇベテラン」がCVすんのかなぁ・・・

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