ONEPIECE 968「おでんの帰還」
1年前にロジャーの用事で一瞬だけ立ち寄り、体調芳しからざるトキと子どもたち、目付けのイヌネコを降ろしたときに感じていたワノ国に起きた異変を、今さらながら知ることとなった。
将軍だった父スキヤキはすでに他界し、その跡目を「実子おでんの弟分」という触れ込みで、スキヤキ自身がオロチに任命したという。
オロチは海賊カイドウの強大な武力を後ろ盾とし、武器生産のために民を奴隷同然に酷使していた。
その武器工場のせいで自然が侵され、大地は枯れ果て、野生の生き物だけでなく小川の水までが毒に塗れ、都に住む選ばれたごく一部の民以外は「人に非ず」というような現代の状況ほど、その時点で酷い有り様だったという描写は今のところないが、「おでんが戻るまでの代理」という建て前を信じ、おでんに期待を寄せていた民を見た感じでは、多くの民にとって、オロチの政治がいかに酷いものだったかは容易に想像できた。
父スキヤキの死に目に会えなかった無念も、それにより代理の執政者が立てられたことも、それは悔やんでも詮無きこと。
代理として将軍職に就いたオロチが民に圧制を強いたとて、それも半分はおでんのせいとも言える。
曲がりなりにも将軍“本人”が“正式”に指名した後継者のしたことである。居なかったおでんには口を挟む資格がない。問題は、その後の悪政を誰も咎めたり正したりすることができなかったのか、ということなのだが、そこにカイドウの武力が立ちはだかったのだという。
鎖国によって外部との接触を断ってきたワノ国である。海賊を積極的に招き入れれば犯罪ともなろうが、漂着した難民を保護したとか何とでも言い訳はたつし、白ひげの船を修理し共に船出したおでんと家臣たちはそれを非難できる立場にない。
おでんは、いったい今、何でそんなことになっているんだ?と、ただただ困惑したことだろう。
だが、以前、錦えもんたちがその悪政に力ずくで対抗しようとしたスキに乗じて、カイドウの部下がおでん城に侵入しモモの助の命を狙い、結果モモの助は無事だったが、トキが脚に重傷を負ったと聞かされたおでんは、ついにキレた。
野を駆け、川をひと飛びに飛び越えて、ひたすらに駆け続けた。日が暮れ夜が明けて、都の民が町に出てくるくらいだから、軽く12時間以上は駆け通しただろう。
理解の埒外の現状に、少なくともひとつのことだけは確実に理解できた。
弱ェバカが、強ェ海賊の力を借りて、この国を乗っ取り、地獄に変えようとしている。
そのまま将軍の居城に単身殴り込み、邪魔するものは片っ端から切り捨て(?)て、オロチの元へ辿り着いたおでん。
もはや問答無用。
今、ワノ国にとって、排除しなければならないのは、オロチ。事の経緯も、何が真実かも、今後のことも、すべて後で考えればいい。まずはオロチを斬らねば始まらない。
まぁ、おでんの剣をオロチが受けたり避けたりできるとは考えにくい。おでんは疲弊しまくっているとはいえ、この状況でオロチを斬る前に集中力を切らす漢でもなかろう。とすれば、ほぼ間違いなく邪魔が入ると考えていい。
というのも、この二人の決着はこの場で着きようがないからだ。
おでんが処刑されたとされるのは、これから4年後の話。次の年には「海賊騒ぎ」とやらもあるし、ワノ国はこれから4年間まだまだいろいろイベントを残しているはずなのだ。
すでに過去最長の回想編となっているが、もうしばらく続きそうだ。
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一方、ラフテルから帰還し、世間的に「海賊王」となったロジャーは、海賊団を解散し、
最初に船を降りた。残された仲間たちは次におでんをワノ国まで送り、それから散り散りになったらしい。
船を降りたロジャーは白ひげと会うと言っており、これがマリンフォードで最後に白ひげが回顧したロジャーとの酒宴であることは間違いない。
白ひげの回想ではロジャーはレイリーに渡したはずのキャプテンハットを被っているが、白ひげのイメージではそう記憶されていたとでも考えよう。形が違うから別の帽子かもしれないが…
そしてこの1年後にロジャーは自首し、公開処刑されるわけだが、その5ヶ月前にルージュと睦み子種を遺した。
レイリーが知らなかったくらいだから、二人が愛し合ったのは、ロジャーが船を降りたあとの話なんだろう。
海王類が話し、シャーリーが予言した「人魚姫」の誕生まで10年。大きくなるまで15年。それを知ってしまったロジャーは、「ひとつなぎの大秘宝」で世界をひっくり返すことをしなかった、いやできなかったと考えるべきか。
どうやら「ひとつなぎの大秘宝」は、ただそれを眼前に確認するだけでなく、真に手に入れようとするならば、人魚姫とジョイボーイの力が必要らしい。
だから…とでもいうのか、今度は自分が成せなかった野望を成し遂げる「希望」を遺した。それがエース。エースが自分と同じものを求めるかどうかはどうでもいい。ロジャーとして野望を成し遂げる手段を残せるだけで満足だったのだと思うな。
ところで、おでんが言い、おそらくそれを頼りにしたトキがモモの助を送り出した「20年後」には、何が予期されていたんだろうな。
また、しらほしは現在16歳。25年前に「あと10年で生まれる」といえば、微妙な誤差が生じるが…う〜ん…
Comment
このときロジャーがレイリーにかけた言葉が、「おれは死なねえぜ?相棒」なんでしょうか。
そんな感じしますよね。シャンクスとはどんな話をしたんでしょうね。
ロジャーから、最後に声をかけられているのをみても…。
冥王がギリシア神話の冥府の神ハーデース、およびそれを取り入れたローマ神話の神プルートーのことを指す。という事からみても…。
プルトンとなにかしら関係があるのかもしれません。
今後の展開がますます楽しみです。w
いつも大変楽しく拝見させていただき有り難うございます。年越しは大変でしたね。自分もインフルエンザで大変な思いをさせられました…(;´д`)
さて、ロジャーの出てくるであろう回想シーンが取り合えず終わりました。数多くのヒントが残されましたね。
それで…。
ルフィ、ロジャーの夢は月に行く事。
Dは月の民の血筋。
オールブルーは宇宙か月から見た地球(ワンピースの世界の)。「地球は青かった。」みたいな。
ポセイドン(人魚姫)は海王類を使い、ノアの方舟を地上へ運び出す。(魚人島消滅)
プルトン、ウラヌスを使い、ラフテルからノアを月へ。
プルトンはロケットのようなもの。
ウラヌスはロケットを飛ばすためのようなもの。
共に兵器として使えば、地上の世界などひとたまりもないエネルギーを放つ。
ワンピース自体は月についたあとに見つける、月と地球をひとつなぎにし月の黄金を大量に地球に運べるようにする道のようななもの。
ではないかと、勝手に考えていますww
本当にあと5年で物語を畳めるのか心配になりますが、最近の濃密ぐあいからは、ワンピを終わらせるオダッチの本気度が伝わってくるような気がします。
ところで、
レイリーが「冥王」と呼ばれていることは、古代兵器と関係ないんですかね。
ロジャーが海王類の言葉を聞いたのは26年前なので、しらほしが生まれるのが10年後というのはピッタリあっていますよ。
ありゃ?そうでしたっけ。
こいつは失礼しました。
キタキタキター♪───O(≧∇≦)O────♪!!ついにおでん帰還&オロチと対面!!進み具合も抜群!次回は、カイドウが現れるのかもしれません。長編&面白いおでんの過去編もいよいよ次回か次ヶ回にエンドを迎えるのでしょう?おでんは、相変わらず大胆過ぎますが漫画だからこそそれが良くてカッコイイのです!
ん?でも考えてみれば今回の話からおでんの処刑まで5年はあるんですよね?となると、一度は何とか自体は収まり、しばらくは穏やかに暮らすが何かがきっかけであの処刑の場面へと繋がっていくということになるのか?
初めまして。
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
狂死朗親分の正体をもう少し詳しく教えて頂きたいと思います。情報量が多すぎて整理出来ていないので、教えて頂ければと思います。
「小紫=日和」かどうかはともかくとして、絶対権力者のオロチに屈しない武士の娘をひそかにバックアップしてきた、金の貸し借りが得意な男。現代編でまだ未登場の彼でほぼ確定じゃないかと思います。
海王類は、現在15歳と断言しているわけではなく、15歳以上で力が現れる(しらほしがポセイドンとしての力を行使できる)と言ってるのでは?
僕としては、生まれ年にズレがある方が気になっています。