ONEPIECE 1032「おでんの愛刀」
ヤマトとナンバーズのフーガは、やはり知り合いだった。
「仲がいい」…というよりは、フーガが一方的にヤマトに懐いている様子で、喩えるなら、構ってほしくて着いてきた犬猫に近い印象だ。
上層階から壁をすり抜けて下へ下へと向かう「火前坊」に危機感を覚えたヤマトは、フーガを従え「火前坊」の武器庫到達阻止に向かう。
ほか2名のナンバーズがこれからどうするのかは不明。…というのは、彼らを束ねるはずのアプーがそれどころではなくなってしまったからだ。
ロビンを追って来たものの「火前坊」のせいで足止めを食わされたCP-0ふたりに要らぬチョッカイをかけて、指銃を食らうアプー。
同じ政府側のはずがどうも相容れない様子のドレークも抹殺対象になってしまったらしく、生き延びるために不本意なタッグを組むことに…。だが、これは危うい共闘である。
アプーがいつ裏切るか分からないのはもちろんのこと、ドレークだって、こうコロコロと立ち位置を替えられては信用できない。
まぁ…、ドレーク的には決して譲れない目的があって、そのための信念は一切曲がっていないのかもしれないが、傍目にはそう見えないからな。
いずれにせよ、CP-0たちにも優先するべき任務があるわけで、こいつらにかかずらわってるヒマなどないはず。
この2vs2変則タッグマッチの決着がここで着くことはまずありえないのだ。
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一方その頃、ゾロは苦戦を強いられていた。
キングは実際のところ剣技も強いうえに、プテラノドン特有の(?)技の速さと破壊力がハンパない。さらに宙を飛ぶのでゾロの技が当たらない。ただでさえカイドウと一戦交えてボロボロの身体を、反則ドーピングで無理矢理イーブンに戻している状態で、このまま消耗し続ければジリ貧である。
なんといっても、カイドウの鱗を傷つけ悲鳴を上げさせた「三刀流・黒縄大龍巻」が、キングの翼(翼竜の翼)には通じない。
その硬さはキング自身も「少し特殊」だというが、どうやらその秘密はキングの種族に特有の個性なのではないか、それを暴かない限り勝ち目はないと、ゾロも危ぶみはじめていた。
キングの素性は未だ明かされていない。その昔マリージョアの遥か上に神のように存在した「ルナーリア人」という種族がそれっぽいが、まだ明確にはされていない。
キングが「ルナーリア人」の末裔もしくは縁深い血筋であることは、もう見切りで断定してしまってもいいと思うんだが、「ルナーリア人」とはなんぞや?となると、まだ情報不足でキングの弱点まで考えが届かない。
「ルナーリア人」が皆そうなのかどうかはひとまず置いておいて、現在判っているキングの特長は、以下の通りだ。
・全身隈なく漆黒の衣装に見を包んでいる。
・浅黒い素肌に明るい色の髪(モノクロ原稿での検証
・漆黒の翼は飾りではなく生身
・背後に炎を背負っている。
・通り名は「火災のキング」
・リュウリュウの実(古代種)モデル:プテラノドンの能力者
・剣術は得意
・埒外に頑丈
・斬撃が当たっても血が出るまでに至らない。
こんなところか…
注目するべきは、もともと自前の翼を持っているキングが翼竜に変身する点だと僕は思う。
もちろん悪魔の実は、図鑑に載っているもの以外は、食べてみるまで何の実かわからないので、そこにキングの意志は反映していないはずだが、作品中で与えられた役割だとか、そのキャラの個性や性癖などに絶妙にリンクして運命的になるべくしてその能力に結ばれた、と考える方がロマンがあるし楽しいじゃないか。
キングが翼竜の能力者となったことには、有翼人ならではの事情があると僕は見た。
これまで作中に登場したほかの有翼人たちと同様に、翼を動かすくらいはできても、その翼で空を飛ぶことはできなさそう。
「ルナーリア」というからには月に由来する民なんだろう。シャンディアやビルカの民との関係性に注目だ。
さて、そうやって手詰まりのなか、キングの情報を必死で整理するゾロに異変が。
閻魔が突然活性化(? 暴走(? して・・・これはゾロの覇気を絞り出しはじめたのか。これには、さすがのゾロもビビった。
今回のサブタイトルは「おでんの愛刀」。
おでんの愛刀を使いながら不甲斐ないゾロに、閻魔が痺れを切らしたとみるべきか、それともどこからともなく聞こえてきた三味線の音色に共鳴したのか。
その三味線を奏でていたのは日和…小紫。
小紫がオロチの前に姿を現した。
赤鞘たちを介抱していた人物が日和だと思っていたが、やはり鬼ヶ島に来てたな。
日和がここにいるとしたら、カン十郎の情報で日和の生存を知っていたオロチに拉致られて…だと思っていたんだけど、こうなってくると連れてきたのは傳ジローかお玉ってところか。今こうやってオロチの前に出てきたのも傳ジローの指示だろう。
オロチは小紫のことマジで好きだったんだね。拗らせた純情を見た気がするよ。
でも、絶望のどん底に叩き落とされるんだろうけどな。
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ところで…
キングがプテラノドンの姿で放つ超威力の技「貂自尊皇テンプラウドン」
後頭部に伸びたトサカを顔全体が歪むほど力いっぱい後方に引っ張り、手を放した反動で頭部を光速で撃ち出す破壊力抜群の技なのだが、キング曰く「太古の昔プテラノドンが実際に狩りをしていた技法」らしいが・・・そんなわけあるかい。
同様にクイーンは、頭部から尻尾までが胴体から抜け出て蛇のように行動できることを「改造なしの恐竜の本気の技」だと言った。さすがに残った胴体だけでは自由に動き回ったりはできず、声に反応してロケットランチャーを撃ったりするのは科学による改造のようだが、これは脱皮ではなく、胴体に入って元通りの身体に戻ることが可能という、生物としてありえない仕様。
いったいこれをどう受け止めれば・・・。
我々の世界の恐竜と、ワンピースの物語世界の恐竜は違う。という言葉だけで片付けて果たして本当に良いものか。
そもそも龍が「ウオウオ」の幻獣種なのに、恐竜や翼竜や首長竜が「リュウリュウ」って、分類がおかしい。「リュウリュウ」には「古代種」しか存在しないことになるしな。
キングとクイーンが食べた悪魔の実は、本当に「古代種」だったのか? 本当に「リュウリュウの実」だったのか?
そしてそうなってくると、ドレークやササキ、うるティぺーたんも奇想天外な変態技が使えるのか? というところまで気になってくるなwww
Comment
妄想の範疇を超えないですけど、もしかしたらキングの体は、ワンピース世界の最硬のポーネグリフと同等の硬さを持ってたりしないだろうか。ポーネグリフを彫れるのは、光月家のみなので、硬さにおでんの愛刀が反応したとか・・・。
おもしろいですね。
同等かもしれませんし、「そのもの」かもしれません。
なぜか滅びた最強の種族は、全員ポーネグリフに姿を変えた・・・?
和の国編にはPCエンジンの天外魔境みたいな世界観を期待してたんですが、
なんかイマイチでした・・・。
この後に期待します。
天外魔境面白いですね。
BGMは坂本龍一か久石譲か。
他所でも考察されてるけど、フーガは20年前の侍なのかな・・・
鼻の形が同じだし
えーと、それは自称「某」さんがフーガだということでしょうか・・・。
確かにインビはヒゲの侍と、ザンギは隈取り&しめ縄の侍に通じる点がありますが、「某」さんとフーガには、僕は共通点を感じません。
おでんの釜茹でのときにナンバーズはすでにカイドウの手下として存在したし、それ以後に新たに作られたナンバーズが1.2.3の名前をつけられるのも少し不自然です。
ってか、「某」さんは牛丸様だと思ってたんだけどなぁ・・・
ニュースで、プチ話題となっている、1032話にてアプーの株上がりの件について
その前の話にて、ドレークとの手を組むという提案をされた際は”明らかに怪しい”とドレークと共に読者もヘイト感がありました。
しかし、今回の話にてCP0の売られた喧嘩ということで彼と手を組み共闘する姿勢を見せたことでどうやら一転して読者の株を上げたとのこと。
その一方で、そうなった事で最後の最後まで敵側のまま敗北となったホーキンスの方は対照的なことになったようです。
ホーキンスもホーキンスで、仕方なく従ったということで途中から共闘し、アプーがこうなるのかと思いきや逆となったので仕方がないのかもですが?
以前書いたように、あまり関心無いので気にはしていませんが、結果的にホーキンスは最悪の世代の中で取り残された存在となりましたのでほんのすこーし同情はします。
意外な、流れだったと思います。
ほう。世間ではそんな評判ですか・・・。
初登場の頃はハチャメチャに傍迷惑な引っかき回し系のキャラに期待もありましたが、個人的に今のアプーには何も期待していません。
ドレークと共闘は確かに意外でしたね。