Cogito, Ergo Sum

我思う故に・・・新館

よつばと! 11巻

 




この記事を書いている人 - WRITER -

「よつばと!」の11巻が発売されました。
今回も例によって大幅な加筆修正が加えられています。
個人的に「不完全な部分はコミックスで修正すればいい」
という考え方は奨励できないので(そう考えてやってるワケではないでしょうが)
揚げ足を取るつもりではありませんが
こんな風に描き直されているという点をチェックしていきましょう。
基本的には背景です。
yotsubato_v11a.gif yotsubato_v11b.gif
左:雑誌掲載時 / 右:コミックス
どういう事情かは知りませんが
雑誌掲載時には、背景が真っ白だったり
線画のみで奥行きや陰影が付いていなかったりするケースが多いです。
中には、
yotsubato_v11c.gif yotsubato_v11d.gif
左:雑誌掲載時 / 右:コミックス
前後のコマとの流れを考え、神社の階段の踊り場(?を修正するなど
おぉよくやった、だがそれ気付く人少ないぞ
というような、細かい修正もあったりなんかして
雑誌で読んでいるときには、ひとときのHUNTER×HUNTERほどに
それほど手を抜いているとは感じないのですが
こうして並べたとき
コミックス刊行時に加筆されたものこそ完成品であると考えると
残念ながら
雑誌掲載時にはずいぶんいいかげんなものを納品しているのだなぁと
感じざるを得ません。
あとは
yotsubato_v11e.gif yotsubato_v11f.gif
左:雑誌掲載時 / 右:コミックス
コマ割りの大小を変更したり
前のエピソードを補足して今回の話の導入を数ページ追加するなど。
今回の追加エピソードはコレ
yotsubato_v11g.gif
前回ラストでピザを食べ過ぎたよつばをフォロー(?し、
近々描かれるであろうキャンプに行く話のネタ振りをしています。
そんな中、
「なんでここ描き直したんだろう」と思うコマがしばしばあるのですが
例えば今回は、やんだの弁当の中身。
yotsubato_v11h.gif yotsubato_v11i.gif
左:雑誌掲載時 / 右:コミックス
ちゃんと、次のコマやその次のコマでも弁当の残量が変更されてるけど・・・
これ、描き直すほど失敗か?もしくは重要か?
あと絵ではありませんが、
うどん屋のおばちゃんが喋る讃岐弁(たぶん)が改められています。
yotsubato_v11j.gif yotsubato_v11k.gif
左:雑誌掲載時 / 右:コミックス
僕は兵庫生まれの大阪在住で讃岐弁にはさほどの違和感を感じないので
どっちもアリですが、今どき「ねき」は通じないよなぁとは思います。
大阪では相当な年寄りか、上方古典落語でしか使いません。
ちなみに「ねき」とは「すぐそば、近く」という意味です。
10巻はみうらのママが要注目でしたが
今巻の修正のキモは赤ちゃんを連れたママさん
yotsubato_v11l.gif yotsubato_v11m.gif
左:雑誌掲載時 / 右:コミックス
2ページしか出番がないモブなのに完全に描き直されているのは
雑誌掲載時のままだと胴が太く見えるからでしょうか。
ウエストラインが見えるように描き直されています。
授乳期の子供がいるだけに結構な巨乳なので
特にこだわりを持って描き直したとしか思えません。
まぁ、僕的なキモは
yotsubato_v11n.gif yotsubato_v11o.gif
左:雑誌掲載時 / 右:コミックス
父ちゃんの「コロッケカレーの唄」が
描き文字から吹き出しに格上げされていたことですね・・・。

この記事を書いている人 - WRITER -

Comment

  1. 通りすがりの旅人 より:

    よつばと!は、自分の人生の中で
    初めて漫画を読んで、心から?お腹から?
    本気で、笑えた漫画です!
    これからの展開に期待したいと思います!
    これからも、末長く、続くと良いと思う!

  2. BIE(管理人) より:

    ご意見ありがとうございます。
    誤解のないように言っておきますが、
    僕はあずまきよひこの作品、作家性、プロ意識その他もろもろを
    否定するつもりは全くありません。
    「いいかげんなものを納品」は確かに言葉が過ぎたかもしれませんが、
    こうして雑誌と単行本を比較して楽しんでみると(楽しんでいます)、
    雑誌掲載時のものがその時点で完成品だったのか疑問に思えてくることがあるという意味です。悪意はないです。

  3. ジンガ より:

    某漫画のように明らかな手抜きを一応見られるレベルにするのではなく、雑誌掲載の時点でほぼ手直しが必要が無い物を敢えて書き直したりシーン追加するのはそれこそプロ根性の賜物だと思いますけどね。どんなに頑張っても締め切りという納期が存在する以上どんな作家でも100%の状態で作品を世に送り出している人はいないでしょう。
    ある意味妥協するからこそプロなのですがチャンスがある限り100に近づける努力をするのは並大抵の努力じゃ出来ないです。
    いい加減どころか表現者としては間違いなく一流ですよこの作家は。
    書き直しが多いのもよりよい作品を提供したいからの一心であって手抜きの正反対の姿勢です。
    あなたの認識が根本からズレてるだけだと思いますけどね。本当にいい加減な作家ならいちいち書き直しなんかせずにそのまま単行本に載せますよ。どこぞの週刊漫画の作家様のようにね。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。

Copyright© 我思う故に・・・新館 , 2011 All Rights Reserved.