ONEPIECE 821「承知した」
ルフィが聞いた謎の声
同じ声をモモの助もまた聞いていた。
声の主は巨象:象主(ズニーシャ)。
ジャック一派の猛攻に悲鳴を上げた象主がいうには
このままでは自分もろとも、モモの助たちもミンク族も危機に陥る。
しかし自分は、自らに架した(架せられた)呪いのごとき禁忌のせいで
ただ歩くことしか許されていない。
この場を切り抜けるため「戦う」許可をくれ・・・と。
この声は、ルフィとモモの助に聞こえていたが
ルフィの問いかけには答えなかった。
そして象主は、請われて許可したに過ぎないが、
モモの助の命令に応えた。
819話のレビューで
怒った象主(ズニーシャ)がジャックを返り討ち、ってのも面白いかも
と書いたことが、あながち外れてなかったとはいえ、
こういう意思表示の仕方とは想像していなかった。
ジャックの船団は、象主の鼻のひと薙ぎで海の藻屑。
戦闘員の半数は能力者と思われるので、ほぼ全滅と見ていい。
ジャックもまた、あの巨体で手負いの能力者だけに、普通なら助かるとは考えにくいが
象主の攻撃でチンガードが破損し、はじめて顕になったジャックの口元は
・・・魚人のようでもあった。
ジャックがもし魚人であったなら
悪魔の実のせいで海中で動けなくなろうとも、
生きてさえいれば溺れることはないだろう。
再登場の可能性は残るな。・・・しつこそうだし・・・。
余談だが:
魚人島の歴史の本文に記された「ジョイボーイ」なる人物。
空白の100年に存在し、
「古代兵器ポセイドン」と呼ばれた当時の人魚姫と深い縁がある
人間らしいのだが、委細は不明。
これが、実はカイドウのことではないかという説がある。
ジョイボーイ=快童(カイドウ)という語呂合わせ
人魚の肉を食べて800年生きた八百比丘尼の伝説
空白の100年から800年以上生きているからいいかげん死にたがっている・・・と。
実に面白いね。
もしこれが事実なら、カイドウの懐刀である三人が
魚人や人魚であってもおかしくない。
ほんの一コマのジャックの口が、そんなことまで想像させる。
う〜ん・・・狙ってやってるなら、オダッチはやはりすごい。
〜〜閑話休題〜〜 話を戻そう
かつてロジャーやおでん様が聞いたという「声」も
今回の象主の声と同じように一方的に発せられ、
こちらから問いかけても答えては貰えなかったらしい。
それが象主の声だったかどうかは定かではないが
とにかくモモの助には、父:おでん様にもできないことができることから
何やら重要な秘密が隠されていることは間違いない。
たとえば、人魚姫のように
数百年に一人現れる、特殊な使命と能力を定められた「選ばれし者」
なのかもしれない。
ジャックがなぜここへ来れたのか
誰か手引きした者が居るのではないか? 裏切り者は誰だ?
という、犯人探しが早くも巷では始まっている。
進路を見失うことが、即、死に繋がる新世界に於いて、
千年「幻の島」であり続けたゾウに、
二度も確実に辿り着けたのだから当然の疑問だろう。
誰だ…?
僕は初登場以来ずっと、カン十郎を「敵ではないか」と疑っているが、
カン十郎が裏切り者かどうかはひとまず置いておいて
ジャックをゾウへ案内したのはカン十郎ではないと思う。
理由は言うまでもない。
一度目のときにカン十郎はゾウに居なかったからだ。
ゾウはログポースに反応しないため、エターナルポースも存在しない。(たぶん
そして常に彷徨い続けているので、外部から誘導することはできないはずだ。
ベポやペコムズが容易に辿りつけたのは
誰か知り合いのビブルカードでも持っているんだろう。
(ベポは持たされていた…のかな
そう。ゾウに確実に辿り着くにはビブルカードを使うしかない。
ジャックはおそらく雷ぞうのビブルカードを持っているのだろう。
それを辿ってきたから、モモの助でも錦えもんでもなく
雷ぞうがここに居ることを、おそらく確信していたのだ。
しかし、そうなると
それはそれで気になることもある。
居ると確信していたのなら、シープスヘッドが諦めることはあり得ない。
撤退の本当の理由はサンジに叩き出されたからだが
「これだけ追い詰めても出てこないのだから侍はいない」
こんな言い訳がジャックに通用するはずないことは、容易に想像がつく。
まぁ、ビブルカードは破った切れ端同士でも引き合うので
「今ここに居る」証拠ではなく「ここへ来た」証拠にしかならないんだが。
また、
ジャックの登場は「災害」と称するに相応しい
問答無用の理不尽極まりない暴力だった。
目的の雷ぞうが居るか居ないか、そこに相手の都合はなく
「自分が必要としている」ただそれだけが存在した。実に理不尽。
だが、それが確信に基づいた行動だったとしたら、
ジャックという男の、その不条理で理不尽な恐ろしさは半減してしまう。
もうがっかりだ。
さて、裏切り者は居るのか、居ないのか。
あ、あとキッドたちの同盟は
カイドウの傘下に入ったらしい。
795話での邂逅からは
彼らの狙う四皇がカイドウであるかどうかに関わらず
もう戦うしかない、と腹を括ったかの様だったが
これは
彼らの狙いはもともとカイドウで、
しかし計画尚早に出会ってしまったし、今直接戦っても勝ち目はないので
懐に入って油断を誘ったり弱点を探る作戦と見るべきか、
彼らが狙う、カイドウ以外の四皇の誰かを打倒するために
利用できる名前と巨大な力と手を組んだと見るべきか。
いずれにせよ、
あれだけ好戦的ででかい口を叩いていた割に
日和りやがったな・・・という印象が拭えないのだが、
新世界で生き残る手段は
四皇の傘下に入るか、挑み続けるか。
何を為すにしても、これが本当の賢いやり方なんだろうな。
2016.04.05 追記:
確認してみたら、ジャックには水かきが描かれていないようです。
なので、魚人説は怪しいです。
あと、ラストシーンで牢に入れられているっぽい脚が
キッドのものではないかというご指摘あり。
だとすると、キッドたちの同盟はアプーの裏切りで瓦解した・・・?
Comment
象主って海底に足付いてるんだとしたらどんだけ足長いんだろう?
>「もう…やるしかねえのか……!!!」は、カイドウのセリフ
なるほど!
大きな考え違いをしていました。ありがとうございます。
「もう…やるしかねえのか……!!!」は、カイドウのセリフだと思いますよ。フキダシの形も一緒だし。また死ねなかった→戦争をやるしかねえのか、ってことかなと。
ジョイボーイ説面白いですね!これからの展開も楽しみです。