ONEPIECE 1048「二十年」

いよいよ最後か！？　ケリをつけるつもりの大技を繰り出すルフィ。

とにかくカイドウを倒すことがルフィにとっては至上の命題。その妨げとなることや残りの些事はみんなに任せた。
この場合の「任せる」とは、その責任から逃れるための方便ではない。「信頼」なのだ。

そのルフィの信念を砕くべく、カイドウは口から吐いた火炎でさらに巨大な龍を形づくって迎え撃つ。

近づき触れるだけで物質は炎上・融解する「火龍大炬」。
物理攻撃など恐るるに足りんと鉄壁の構えだが、ルフィには触れずに攻撃する「流桜」がある。

ルフィの「ゴムゴムの猿神銃バジュラングガン」vs.カイドウの「昇龍火焔八卦」
龍猿相討つ！！

さて、カイドウの「火龍大炬かえんダイコ」。

一見、炎を纏っただけかと思いきや、これまでのカイドウよりも明らかに大きい。巨大な火炎龍の額には元のサイズのカイドウの頭部が確認でき、どうやら巨大な火焔龍には実体がなく、これは獄熱の火焔で龍の肉体を巨大投影していると考えるべき。これも覇気の使い方なのだろうか。

赤犬がマグマのゲンコツを降らせたのにちょっと似てる。しかし赤犬の場合とは異なり、この巨大龍の中には確かにカイドウが居て、火焔を放出し続けている。
それはすなわち、触れれば溶けるその獄熱量にカイドウ自身は耐えている、耐える方法があるということでもある。

ルフィは超巨大な拳にすべてを乗せた超速度・超重たい攻撃を、ただの物理攻撃ではなく「流桜」によって触れずにカイドウを撃ち抜くつもりだ。

これが最後の大一番となるか！？　勝負の行方や如何に！
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カイドウが云う。「20年前、この国の英雄が焼かれて死んだ!!!」
20年よりもっと前からとっくに救いのない無法の国となっていたワノ国。過去直近の最大最後の望みがおでんの死で断たれた。
それから20年、絶望の中に見出されたかすかな希望であるルフィとモモの助もまた、結局は同じように焼け死ぬのだ！　と云いたいのだろう。これは比喩だ。

事実、おでんは700度を超える油で煮られ、油に火がついていたように見えたが、それを1時間耐えたからこその伝説であり、しかもトドメは銃弾だった。焼け死んだわけではない。

おでんの権勢を象徴する九里城は焼かれて落ちたし、おでん以外の各郷の大名たちの戦力は尽くカイドウの吐き出す炎に焼かれたが、大名たち自身はそのときには絶命していない（はず）。名だたる「英雄」はひとりも焼かれて死んではいない。

これは、実際に仲間の戦力を焼かれ城を焼き討ちされたことではなく、炎を吹く神がかりな巨悪に対して、ワノ国全土が対抗する戦力と気勢を失った、という意味だ。

「20年前、この国の英雄（戦う気持ち）が焼かれて死んだ（炎に屈した）」

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そして、残されたワノ国の民がカイドウに抗う意思を失った状況を、ただ愉しんできたオロチがいま、焼け死のうとしている。

因果応報というべきか、それも自分が放った怨嗟の炎にだ。

せめて日和を道連れに、と迫るオロチ最後の「首」を、傳ジローが静かに斬り落とす。

未だ何も知らない都の民が、空船に乗せて浮かべた願いを象徴するかのように・・・。
「オロチがいなくなりますように」
「この地獄から逃してください」

長かった日和の地獄はここに終わった。

だが、若干の不安も残る。・・・オロチは本当に死んだのだろうか。

最初にカイドウに首を斬られたとき、どうせ死んでないだろうと思った。人間態ではあったが、オロチは「ヤマタノオロチ」だから首を一本くらい失っても死なないだろうと。

次に赤鞘たちと鉢合わせしたときは、少なくとも首を5本斬り落とされてるのが確認できるが、この場に居合わせた赤鞘は6名なので、たぶん6本斬られてる。コマの左に見切れてるのが2本なのかな。

威勢よく変身したシーンでも首が6本見えるし、赤鞘たちの感情的に首を残すとも考えにくいからな。
この時点では7本残っていたはずだが、オロチが見せた姿は首6本。要するにこの場でオロチは保険を張った。斬られたふりしてやり過ごす気マンマンだったのだろう。

そして今、最後の一本が斬り落とされた。
たとえオロチの首がまだ残されていたとしても、死の道連れを迫る最後の変身でオロチが能力を出し惜しみするとは考えにくい。やはり傳ジローが斬ったのは最後の一本だったと考えていいだろう。

最低最凶のゴミ悪は死んだ。
残るは最大最強の巨悪のみだ。

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ところで余談だが：

ヤマトが岩牢で出会った三人の侍は、全員各郷の大名たちだったらしい。
あのときは頭に包帯巻いてたし目を伏せてたからよく分からなかった、霜月牛丸（牛マル？）の顔がはじめて明らかになった。

91巻のSBSで描かれた（とある世界線の）未来のゾロに・・・似てるかなぁ・・・？
まぁ似てないことはないけど・・・「瓜二つ」は言いすぎじゃね？