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我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1139「山喰らい」

 




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ロキの拘束を解く鍵を求めてアウルスト城を探索するルフィたちは、「王の間」に辿り着いた。


そこには、先にシャムロックとグンコがやってきた“魔法陣”が残っていた。

僕も別に詳しいわけじゃないし、本物の魔法陣を使う様子を見たことがないのでなんとも云い難いが、こういった“魔法陣”とは本来(本来?笑)、異世界の存在を今世に呼び出す儀式に使用されるものだと思う。
その際、厳格なルールに基づいた書式で“魔法陣”を記し、呪文や供物をもって対象を“召喚”するためのもの、という認識だ。

対してこれは、転移のための“魔法陣”という位置づけだろうか。
同じ世界上の離れた二点の座標を結び、物体を転送することができるというものだろうな。

いずれにしても“魔法”または“魔術”的な、または「鋼の錬金術師」における“錬金術”のように高度に発達した学術的な、一般には想像もつかない特殊な技術を要するものであり、それが高位の天竜人に伝承されたものなのか、はたまたイム様の特別な加護を受けた者だけが使えるのか、それとも古代の技術で理を知れば誰にでもできることなのかは、今のところ不明だ。

五老星のときは“魔法陣”をくぐって現れることで真の姿になったようにも感じられたが、それは定かではない。


ちなみに、サターン聖が使用した魔法陣ゲートは「5」と書いてあった。


ほかの五老星たちについてはマーズ聖の「4」が確認できることから、1110話のコマ割りを見た感じでは、十ピーター(サンドワーム)、Vナス(馬骨)、ウォーキュリー(封豨)、マーズ(以津真天)、サターン(牛鬼)の順に「1」から番号が振り当てられていると推測できる。これが五老星内部の序列を表していると現状で断定はできないが、サターン聖が「5」だったというのは、いわゆる「やつはわれら四天王で最弱云々〜」ってパターンだったのかも・・・と、つい考えちゃうな。


現在、ガーリング聖が「5」の後釜に入ったのか「6」番目扱いなのか、それとも純粋に実力を比較して五老星内部の序列に大きな変化があったりしたのか・・・、ガーリング聖が「1」番つけてる可能性は低くないと思うね。


その、五老星が出てきたゲートを記憶しているものの、ルフィは明確に思い出せない。サンジがここにいたなら思い出せたのかもな。
次いで、ルフィの名を呼ぶ謎の声の登場で、この疑問の重要度は下送りにされてしまった。

その声の主とは、


くだんの編笠マントの男、元海賊の人間“ヤーさん”
リプリーの旦那にしてコロンの父親だ。


先にネタバラシしてしまうと、この男こそかつて“海賊王の左腕”と呼ばれたロジャー海賊団の実質No.3、スコッパー・ギャバンである。・・・かのように今回の話は締められている。(厳密にはこの男がギャバンだとはまだ明かされていない。)・・・とはいえ、まぁそうなんだろう。明らかにされたものとして話を進める。


編笠にマントといえば、扉絵特集で双子岬のクロッカスと酒を酌み交わしていた後ろ姿の人物。
カラー版コミックスでの彩色がすべてオダッチによる配色とは思っていないが、金髪に加えて縦じまマントを山吹色に塗ったのは明らかに何らかの意図によるものだ。オダッチの預かり知らぬことであろうはずもない。
さらに編笠という和風の出で立ちがシキを思わせたのは、オダッチによるミスリードを誘うトラップだったと、僕は断言する。

だが、もともと黒髪だったギャバンが加齢で金髪になるというのは不自然だ。これは金髪に染めているのか、今回の本編登場でしれっと白髪に描かれるのかは注目ポイントだ。
扉絵特集で双子岬を訪れていた人物とは「別人」という可能性だってなくはないのだ。(負け惜しみがしつこいとか云うな)

さてその“ヤーさん”ことスコッパー・ギャバン。
ルフィの来訪を心待ちにしていたようにも見えた。


先だってシャンクスが会ったという「互いに死んだと思ってた旧友」がギャバンのことなら、シャンクスがルフィに“麦わら”を託した意味なども聞いているのかもしれない。そしてその“麦わら”がもともとロジャーのものだったのなら、ギャバンとしてもそりゃあ感慨深いものだろうさ。

早くからシャンクスが目をつけていた若き海賊がゆく先々で海軍・政府を翻弄し、今では太古の“神”を顕現させ、時代が早すぎてロジャー達にはできなかった「何か」にたどり着くルートにまっすぐ乗っている。
自分もこのルフィという男のことをもっと知りたい、という気持ちになったとて無理はない。

ギャバンは、ルフィたちがロキを解放する鍵を探していることを知ると、「他人が起こすトラブルは大好きだ」と面白がる一方で、ロキの危険性や、その解放を望む者が誰ひとりいないこと、そして過去に海に出た際にシャンクス以外に対処できる人物がいなかった点について釘を刺す。


しかし「こう」と決めたら死んでもやり遂げる強い信念のもと、細かい話はどうでもいいのでまず動くルフィの「我」の強さが、ギャバンにとっては懐かしくも頼もしい。


ならばと一計を案じたギャバンは、ルフィたちを秘密の宝部屋へと誘う。


略奪され尽くした空の宝箱ばかりの部屋に、ぽつんと手つかずで残された鍵がひとつ。


この鍵を手にすることは、ロキの命運、すなわち天災レベルの災厄を抱え込むことと同じ。宝を狙ってここへ侵入した巨悪も小悪党も、誰もが関わりたくないと感じた「厄介事」に首を突っ込むからには、相応の覚悟と実力を示してみろ。・・・と、爺ィは宣った。


これは試練か、それとも福音か・・・。

さて、この“ヤーさん”なる爺ィが、“海賊王の左腕”スコッパー・ギャバンだったという前提での余談となるが:


ギャバンは20年以上もエルバフに住んでいるとのことだ。

ロジャー海賊団の解散が25年前、ロジャーの処刑が24年前だ。
息子のコロンが20歳だというし、仮に巨人族の妊娠期間が人間の三倍あったとしても、まぁだいたいロジャーの死後ほどなくエルバフに来てそれからずっと居るという計算になるかな。


で、前述した“シャンクスが会ったという「互いに死んだと思ってた旧友」”の話。
確定ではないが、これはもうギャバンのことと考えていいだろう。

ずっと気になってた「互いに」死んだと思ってたという部分。
ロジャーの死後ギャバンはずっとエルバフにいたのだから、世間一般的には“消息不明”として死亡の可能性を考えてもおかしくはない。

だがロジャーの処刑時まだ少年だったシャンクスは、その後メキメキと腕を上げ名を挙げ今や「四皇」の一角である。世界にその名を轟かせていたにも関わらず、ギャバンはシャンクスが死んだと思っていた・・・?

ん?おかしくね?
いや、おかしくないね。

エルバフには「ニュース・クー」が来ないため、漁師が海でごく稀に手に入れる新聞を持ち帰ったものを、フクロウの図書館で巨大化させてはじめて世界の情勢に触れることができるという隔絶された領域だ。基本的に世間一般の情報は入ってこない。
であれば、ずっとここにいるギャバンがシャンクスの立身出世を知らなくても無理はない。

では、なぜ互いに「死んだ」と思っていたのか。

これはあくまで想像の域を出ないが、シャムロックが語った


シャンクスが「一度は聖地に戻った」という話に関係があるのではあるまいか。
24年前、ローグタウンでシャンクスはロジャーの処刑に立ち会っている。おそらくロジャー海賊団のほかの面々も群衆に紛れて見ていたに違いない。

その後すぐ、いや下手したらその時その場で、シャンクスは天竜人(神の騎士団)に攫われたのだ。そしてそれに気づいたギャバンが奪還に動くという騒動があったのではないだろうか。

そのときギャバンは深手を負い、シャンクスを連れ戻すことができなかった。シャンクスの出自を知っていようがいまいが、天竜人に攫われた元海賊がただですまないことは容易に想像できただろう。
こうして、互いに死んだと思うしかない状況があったのだと妄想してみた。

・・・どうだろうか。

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Comment

  1. yu より:

    ギャバン、タイムスリップ説ってのを見ました。

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