ONEPIECE 1147「我々の恐いもの」

ソマーズからエルバフ全土に向けて声明が発せられた。
要約すると
10人の子どもたちを人質に取ったので、その命が惜しくば政府の『戦闘奴隷』になれ。というもの。
ずいぶんな“パワーワード”キタコレ・・・
“命が惜しくば” とは僕の要約であって、実際には「連れ去るぞ」というメッセージだ。
マリージョアへ連れ去られれば、単純に殺されるよりも酷い仕打ちが待っていることは容易に想像がつく。
永くアンタッチャブルな存在で居続けた巨人族、とりわけエルバフの民は、自分たちが理不尽な暴力に侵される脅威に鈍感だったのかもしれない。
身近になにか大きな揉め事があっても、誰かがそれに対処しようと動いているなら大丈夫。そこまで大事にはならねェだろう、とたかを括っていた部分は、実際あったと思う。
落雷による火事に「そりゃヤベェ」と思い、出動した火消し隊も謎の巨大怪物に沈められたが、結局火事は鎮火したことで結果オーライ「火消し隊ええぞ!」で完結してしまう安穏とした気質には、ソマーズたちも、もっと目に見えるカタチで脅威を示す必要があった。
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その脅威、事態の深刻さはエルバフ全土を巻き込んでいくが、積極的に討って出るような勇猛な(ある意味無謀な)者たちはそう確認できない。
ほぼ唯一頼もしかった巨兵海賊団の面々も、子どもが夢想した「怖い母ちゃん」が具現化した怪物に心を折られ、されるがままに船を沈められてしまった。
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ソマーズはヤルルを相手に一方的に要求を提示、「学校」と「図書館」を今すぐ燃やし、それを忠誠の証とせよ、と命じた。
政府にとって都合の悪い文献を残した「図書館」はともかく、「学校」をなくせというのは、政府の戦闘奴隷として、戦いのこと以外考えもしない純粋な戦闘民族を今後も育成せよ、と云っているのだろう。
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これにいち早く反応したのが…
ロビンはもう云うまでもない。
図書館に収められた文献のほとんどは、22年前にオハラが受けたバスターコールのさなか考古学者たちが命がけで後世に託し、サウロがこれまた命がけで守護してきた歴史的遺産なのだ。その働きを無にすることなどできるはずがない。
しかも声明の主は、サウロを打ちのめしオハラの偉業を侮辱したソマーズ。チョッパーがいくら制止しようが、ロビンの意思は固い。
そして
学校に通っていないコロンが生徒たちを救うために現われ、追加で人質となったことを聞いて驚くリプリーと喜ぶヤーさん。
リプリーはコロンが人質となったことで少し冷静さを欠いたようだが、請われて飛び出したヤーさんは決して怒ったりイラついたりしていない。
ロビンはソマーズ憎しでクラッチ極めるまでが目に見えるようだ。
さて、ヤーさんはどこへ向かったのか。
目を覚ました子どもたちを今も行進させ続けているのは軍子の能力。軍子を倒せばこれが解除される可能性は高いが、はたしてヤーさんはそこに気づいているんだろうか。
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そして、その軍子
捕らえたブルックに対し、自分個人の奴隷となって自分のために曲を作れと云い出した。
ほんのわずかの逡巡もなく、仁義のもとにそのオファーを拒絶したブルックを痛めつける軍子はどこか辛そうに見える。
捕まったときにブルックも軍子について少し思うところがあるような様子を見せていた。
これはふたりに面識があると思って間違いない。
それをブルックが「そんなワケないか」と思う理由は、そう多く考えられない。
パッと思いつくのは、
1. ブルックが知るその女性は戦うような人柄ではなかった
2. 出会ったのがずっと昔で見た目の年齢と合わない
3. その女性はすでに死んでいる
4. ライブの追っかけをしていた馴染のファンに似てる
ってところか。
かつてブルックが居た、西の海のとある王国の関係者なのかもしれないなぁ・・・
軍子が食後に聞いてたお気に入り「NEW WORLD」もブルックの曲なんだろうなぁ。
で、エルバフ全土にソマーズの声明が放送され、これだけ大騒ぎになってるってのに、冥界にはまったく届かないのな・・・