Cogito, Ergo Sum

我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1148「ローニャ」

 




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なぜか冥界にはまったく聞こえていないようだが、エルバフ全土に響き渡る“神の騎士団”の声明。
子どもたちの命が惜しくば天竜人の「戦闘奴隷」となれ。ついては、今すぐ「学校」と「図書館」を燃やし、忠誠の証とせよ。猶予は30秒。


何千年分もの歴史が紡がれた他にない貴重な文献と、子どもたちの命が天秤にかけられ、そして脅迫に屈することへの抵抗感が人々を悩ませる。


おれ達が燃やしたいのは、お前達の“文化”と“歴史”。

これは「戦闘奴隷」として不要なものを排除して、ただその“力”と“蛮名”だけを捧げよ。という考えだと思われるが、近年の融和政策以後のことはともかく、古代から脈々と受け継がれてきた戦闘民族としての“生き方(または死に方)”そして“誇り”なくしては、天竜人が欲するエルバフの「戦闘奴隷」としての強さにも曇りが出るであろうことを、ソマーズは理解していない。

いや、おそらく理解したうえで、彼らの心を折りまず屈服させることを現在の最優先としているのだろう。すなわち「おれ達が燃やしたいのは、お前達の“文化”と“歴史”」というのは真意ではなく、お前達にかける情は一片もないということを端に云い現しているのだろう。

神の騎士団の面々は、五老星と同様に、身体を失っても再生する。
そのカラクリが分からないまま真正面から相対しても不利極まりないことは自明だが、もう黙ってみていられない者がいた。


それはもちろんロビンだ。そして期待通りの・・・


クラッチ!

ソマーズは当然立ち上がるが、ロビンもただ無謀に身を晒したわけではなかった。


ソマーズの四肢を拘束してもろともに冥界へと飛んだ。
倒すことができなくとも、ソマーズの能力が届かなくなれば子どもたちに触れて救ける術が見えてくるとの算段だ。

しかし、伸ばした荊にぶら下がりソマーズは落下することなく、能力も解けることはなかった。
カウントダウンは続き、子どもたちから選ばれた最初の“犠牲者”ローニャが、勇気を振り絞って思いを伝える。


わたしは「学校」も「図書館」も大すき。
学校で教わった「人の嫌がることをしない」ということ。私を救けるために「学校」や「図書館」がなくなってしまうのはみんな嫌だと思うから、それならわたしは落とされた方がいい。


きっと大丈夫・・・

落ちたら肉体的にも精神的にも大丈夫なワケない。
「学校」を無くさないでというローニャの悲痛な訴えは、すべての大人達の迷いをかき消した。


ヤルル様の決断
学校に火をつけなさい。図書館を燃やしなさい。
その言葉を聞きサウロが、ロビンが、みなが己の無力感に苛まれた刹那・・・よじ登ってきたソマーズに近づく影ひとつ


ギャバン参戦!


一閃!
その攻撃は疾く、激しく、鋭い。

斬られた腕を再生させないギャバンの攻撃がソマーズを捉えた。
ギャバンの表情が険しい・・・

おっと・・・
ようやく「ヤーさん=ギャバン」が明言されたな。これまではギャバンの話が出てきても、それがヤーさんの事だとは云ってない、という扱いだったんだが、うちのサイトでも今後はこの爺ィのことをギャバンと呼称することにする。


さて、一太刀目で左腕を斬ってるのに次のコマでは右腕になってるのはさて置き、ソマーズや五老星が傷ついても再生するカラクリを少し考えてみよう。

僕は最初、五老星はそもそも人とは異なる生命体ではないかと考えていたんだ。
その由来が外宇宙なのか月なのか、はたまた異次元なのか分からないけど、とにかく人とは理の違う存在ではないかと。だって彼らの変化した姿が仮に「悪魔の実」の能力だったとして、アレを「動物系幻獣種」と分類するのに、ワンピファンの諸兄は違和感を覚えないか?

僕的には、アレらはまったく理の違う世界の異形の生物の姿を、似た容姿をもつこの世界の伝説上の生き物に喩えて、そう名乗っているだけにしか見えない。

異世界の超常なる能力を持った異形のモノたちが、人に化けて人類に君臨している。千年近く世界を操っているとすればそのくらいの存在でもおかしくないし、そう考えればどんな不思議な現象や能力にも納得せざるを得ないからだ。

彼らの身体を傷つけるには、この世の理を超えなければならないのだろうか・・・
そう思っていたときが僕にもあったよ。


そこへ彼らと同じっぽい五芒星アビスを通って、(神を名乗ってはいるものの)ただの人間である“ハズ”の神の騎士団の面々がやってきた。


「マークのねェやつは五芒星アビスを通れねェ」らしいが、そのマークとやらをエルバフの子どもたちに一時的につけたり消したりできなさそうなので、“マーク”とは五老星によるなんらかの加護を受けてすでに「ただの人間」ではなくなった刻印なのかもしれない。

さて、その五芒星アビス・・・
転移の元いた場所と現れる先の両方で、その瞬間がいまいち描かれていないためその仕組みがよくわからない。

まず、これが「転移」ではないと仮定しよう。
五芒星アビスの先に現れるものは、実はその人物の物質的な肉体ではなく現地で合成したコピー体なのであり、本人の精神のみが現地に送られてコピー体に宿っているとすれば、現地で傷ついた肉体が再生することに納得がゆく。
また、現地にいたサターン聖がその場で変身することなく、わざわざケレン味たっぷりに五芒星アビスをくぐって現われたことにも説明がつく。


だが、五老星がエッグヘッドに転移したあとのマリージョア「権力の間」に、オリジナルの五老星たちの抜け殻となった肉体が残されていたりはしなかった。

う〜ん・・・わからねェ・・・


そして、鉄巨人エメトに秘められた「イザッテトキ」のジョイボーイ最大級の覇気でもって、彼らの転移はキャンセルされ、その姿も人間態に戻っていた。
そのときのイム様の動揺ぶりから、イム様の力とジョイボーイの力は同様のものか、または対極のものだと考えられるが、ジョイボーイの再来っぽい扱いのルフィの攻撃は五老星には一切通じなかった。


ジョイボーイ渾身の覇気にまで、現在のルフィのレベルが至っていないとも考えられるものの、先にルフィ(+ボニー+サンジ+フランキー)に遥か彼方までぶっ飛ばされたマーズ聖は、ひと足先に「権力の間」に人間態で戻っていた。ニカふたり分プラスアルファでの攻撃で、ようやくジョイボーイに並ぶ威力ということなのだろうか。

そこで今回、ギャバンの攻撃は五芒星アビスをくぐって現われたソマーズの肉体を傷つけることができた。
ソマーズ本人も再生するはずの肉体が戻らないことをおかしく思い、その攻撃がギャバンによるものと知って顔色を変えた。


ギャバンが相手だとこりゃヤベェということだろうか。

1139話のレビューの最後に僕が立てた仮説(という名の妄想)では、
ロジャーの処刑後、天竜人の手の者に攫われマリージョアに連れ戻されたシャンクスを、ギャバンが奪還に動いたのではないか? と書いた。
そういうことでもなければ、ふたりが「互いに死んだと思う」状況が生まれないと考えたからだ。

もしそれが当たっているなら、ギャバンはマリージョアに潜入し、そこでソマーズと接触があり何かに気づいた可能性もあるし、そもそもラフテルに到達した時点でロジャー海賊団のクルーは全員が神の騎士団の倒し方を知っていたのかもしれない。

しかしソマーズっていいとこ40歳くらいだよな。24年前にはハイティーンだ。そのとき神の騎士団にいたかどうか少し怪しい。
十・ピーター聖と同じシェパード姓にどんな意味があるのかも、これから注目だな。


ってか、上でさんざん書いた「転移先の肉体はコピー体」という仮説(という名の妄想)は早くも崩れちゃったわけだ、コレが・・・・。

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