ONEPIECE 1160「ゴッドバレー事件」

「人間狩り」のターゲットとしてステージ上に上げられた「デービー一族」。
そこに集められたわずか10名足らずが現在認識しうるすべての「デービー一族」なのか、彼らを抹殺することができれば、天竜人にとってとても忌まわしいこの一族を「根絶」できるつもりらしい。
ロックスの正体には気づいていないようだ。
また、気勢が上がっている「孤絶せよ!‼︎」の「孤絶」とは、「一つだけ他と切り離されて孤立していること」を指す。となれば、それは一処への幽閉または島流しを求めているとするのが妥当だが、それでは「根絶」することにはならないし、そもそも人間狩りの標的なのだから息の根を止めることが前提とされているはず。
「デービー一族」がどんな経緯で天竜人に嫌悪されているのか、それが明らかにされないとどうにもスッキリしないのだが、さらなる過去編で解明されるとしたら、それは「空白の100年」の出来事に斬り込むことになりそうなので、まだまだ先のことなのかもしれない。
ステージに集められた「デービー一族」は、種族も様々なようだ。
「バッカニア」とか「ルナーリア」とは違って、「デービー」は“種族”を表すのではなく”血族”を表すファミリーネームのように思えるので、社会から身を隠すように数百年暮らす中で、種族を越えた混血が出てくるのは至って自然なことだろう。
気になったのは、どいつもこいつもボロボロに身を窶し、今はただ天竜人たちに一斉に向けられる“殺意”に怯えるばかりであること。
ロックスは、妻子に危険が及ばないように故郷:ゴッドバレーの「デービー一族」を頼理にした。・・・はず
それならば、社会にそれと分からぬように溶け込みながらもそれなりに有力な地位を持ち、ロックスのように悪目立ちはせず、天竜人と世界政府への反抗心を、密かに強く持ち続ける人物がいるのかと思ったんだが、どうも頼れそうな人物が見当たらない。
こうなるともはや、ロックスが本当に妻子を大事に思っているかどうかも怪しくなってくる。
ロックスの妻と思しき女性は「あんたは生きなきゃならないんだ」とティーチに囁く。
これはロックスがティーチに何らかの特別な役割を期待している可能性が高い。
子供の誕生にウキウキするロックスが、シャクヤクやリンリンたちの「女の勘」に見破られたが、野望のための重要な“駒”と位置付けているだけで、ロックスが人並みに妻や子を愛しているとは、僕にはとても考えられない。
“妻子を逃し”に来たはずのロックスが、この島でどのような行動に出るのか要注目だ。
いよいよ「人間狩り」がはじまった。
ガーリング聖が、軍子が、ソマーズが、島民や連れてこられた奴隷たちを次々と殺戮しまくる中・・・
満を持してロックス海賊団が到着。
ロックスは行動を共にする仲間にすら真の目的を告げることなく、あくまで「シャクヤク」「財宝」「悪魔の実」が目的であると嘯いて、一騎当千の猛者たちをその気にさせた。
「俺に続けェ!」とは片腹痛い。
続いてロジャー海賊団が現れ、もう「人間狩り」どころじゃなくなった“神の騎士団”が対応に動き出す。
天竜人を護らなくてはならないが、天竜人の殺戮ゲームを知ってはいけない海軍は、対応が後手に回っていたが、そこに招かれざる「未来の英雄」参戦!
某オールマイトさながらの笑顔と名乗りで現れたのはガープ。
天竜人を死ぬほど嫌いなガープが、天竜人による大殺戮ゲームが行われているこの島で、いったい何を見てどう判断し、どう行動するのか。
この混沌のキャスティングボートはこの男が握っている、と僕は思うね。
ガープが助けたと伝わる天竜人と奴隷とは、いったい誰のことなのか。それとも、それすら虚報なのか…。
その混乱の中、大きな岐路に立たされた男がひとり。
ドラゴンだ。
後にドラゴンは生まれ故郷のゴア王国を「腐りきった世界の縮図」と表現したが、今のゴッドバレーはそれよりさらにドロドロと煮詰まった腐った煮凍り状態。
天竜人の非道とそれを見ぬふりをする海軍の実状を目の当たりにして、彼の“正義“はどこへ向かうのか。
死に瀕した見知らぬ女性に託された双子を助ける使命感だけを頼りに走り出す。
遂には(麻酔弾とはいえ)天竜人を撃ってしまったドラゴン。
そしてとうとう双子の赤子奪取に成功した。
だが、このまま海軍船に連れ帰ることができるわけもなく、双子の片割れはロジャーのもとに、もうひとりは女性が「渡さないで」と懇願した「あいつ」の手に渡ってしまうことになるのだ。
どのような流れを経てシャムロックを取り返され、シャンクスはロジャーが引き取ることになるのか。そしてバギーはどこでどう絡んでくるのか。
ドラゴンが何に絶望して何に怒り、何に希望を見出すのか。 さぁ、刮目して見よ!
ってところで、次号は休載だ。残念・・・