宇宙戦艦ヤマト2199 ようやく完結
終盤の制作スケジュールがドタバタしたのか、
劇場限定先行DVDも劇場では販売されなかった
「宇宙戦艦ヤマト2199」の待ちに待った第7巻(最終巻)が発売された。
TV作品のソフト化にあたって、加筆・改修が行われることは
昨今あたりまえとなっており、
付加価値によるDVD収益を重視するあまり、TV放映版が軽視されるような風潮は
決して喜ばしいこととは僕は断じて思っていないが
(まぁクオリティだけの問題だけではなく
放送コードなどで制限された表現の補填という側面もないわけではない)
本作においてはDVDが先行し、TV放映がそれに追随するという
珍しいパターンを辿ったため、クオリティに対する心配はしていなかった。
しかし、この最終巻だけは違う。
残念ながら、劇場公開は不完全版であり
TV版はいろんな意味で出渕監督の本意でない肉付けが為されていたので、
このDVD版こそ完成品と捉えるべきなのだと僕は思う。
「宇宙戦艦ヤマト2199」は、この第7巻をもって、ようやく完結したのだ。
もちろん
来年公開の劇場版が、単独で語るべき別の商品であることは言うまでもない。
TV放映版とDVD版の差違について、少しだけ見ていきましょう。
(並べてある同じシーンの画像は左がDVD、右がTV放映版)
デスラーが暴走にいたるまでの感情の変遷や、
コスモリバースのコアを巡る補足が、わずかでも追加されていないか・・・
と期待しましたが、特にありませんでした。
最終話に収録されているオーディオコメンタリーで
コスモリバースについては出渕監督が少し語っています。
第23話・24話においては、描き直されているのは主に「目」。
あ、これは25話だね
ほかにも爆発の規模とかイスカンダルの空の色とか
いろいろ改修点が見られるものの
「ちゃんと手を加えてますよぉ」アピール的な、
別段しなくても気にならないレベルの修正が目立った。
第25話・26話は、もともと、キャラクターデザインの結城信輝が
かなり気合いを入れて原画を描いているため、
ここへ来ての作画の修正はあまりない。
冒頭に現在のクルーたちの様子が追加され
加藤と原田、星名と百合亜のペアカットが増えている。
徐々に仲良くなっていく様子は描写されてたけど
原田真琴の妊娠は急展開すぎたものな。
島が「雪が淹れたコーヒーは不味い」と吹き出すシーンは
旧作にもあったシーン。これはさりげないサービスだ。
雪の私室の写真が全部新しくなってる。
アニメ雑誌のパブから流用したようなイラストもあったからか
変更されたようです。新見が写ってるの違和感あったもんな・・・
土方と雪の写真はヤマトの艦内服であることがおかしいと以前述べたが
やはり不自然だったのか、連邦本部での制服になっている。
一方、古代の私室の写真はすべて変更がないのだが
むしろ気になるのは写真よりもペナントですよ。
もともと船舶におけるペナントとは
所属やメッセージを知らせる旗なのだが、
これはそういった類のものではなく
観光地のみやげ物屋で売っている(今もあるのか? ペナントに他ならない。
本作ではテラフォーミングされた火星への移住が行われた後であるが
二度にわたり火星と地球で人類同士の戦争が起き
20年ほど前に勃発した(収束時期は不明)第二次内惑星戦争を機に
火星の居住者は全員退去させられ、
後のガミラスの攻撃を受け、今では廃墟である。
現在20歳の古代が観光に訪れたというようなことは考えにくいし
兄守がキリシマに搭乗し第二次火星沖海戦を戦ったからといって
火星に思いを馳せるようなこともないだろう。
旧作とは異なり、古代と島が火星の観測所に勤務していた実態もない。
なぜ火星なんだ?
ってか、それ以前になぜペナントなんだ?
旧作リアルタイム視聴世代に向けて
このクエスチョン欲しさにネタでやっているとしか思えない。
コスモリバースの再起動については
出渕監督曰く「最終的には『ヤマト=沖田』として地球を救いたかった」
ということである。それはわかる。
しかし、それって守兄さんが
勝手に起動させちゃったことの説明になってないよね。
もしタイミング悪く、雪より沖田が先に死んじゃってたら
入れ替わりに入る魂なくなっちゃって地球は救えない。
やっぱり沖田が見た夢のなかで
守兄さんとの対話があったと考えるべきだろうか。
最終話ラストでは
ヤマトが帰還し、地球が青い姿を取り戻すまでの暗転の間に
26話通しての全キャストロールが流れる。
いい演出なんだが
そのあとにエンディングテーマが別にあるので
一瞬「あれ?なんでエンドロールが2回あるの?」と思ったww
嬉しかったのは
最終話まで主題歌をささきいさおの「宇宙戦艦ヤマト」で通してくれたこと。
TV版の後期テーマソングも終盤には聞き慣れたけど、
ヤマトTVシリーズの主題歌が「宇宙戦艦ヤマト」じゃなかったのは前代未聞。
出渕監督も反対だったそうだし
やっぱ、やっちゃいけなかったと思う。
ささきいさおが流れないヤマトなんて
「クリープを入れないコーヒー」みたいなモンですよ。(古いw
Comment
情報感謝です。
これは非常に興味深いですね。
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