ONEPIECE 1100「ありがとうボニー」
ベガパンクと出会い、自らの身体を提供することで、ボニーの治療の目途が立ったと思われたくまだったが、事態はそう甘くはなかった。
ベガパンクと縁深いボルサリーノが派遣され、政府としては、ベガパンクとくまの契約をみすみす見逃すことはできない旨の沙汰が下された。
まぁ・・・そりゃそうだろうよ・・・。
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経緯はともかく(本来ここ重要なんだけど)、くまは高額の懸賞金をかけられた海賊でしかも元革命軍幹部。そんな男を象った「クローン兵」を、政府・海軍の立場として自信をもって世界に公表できるわけがない。
この件に政府側から首を突っ込んでいるのはサターン聖。
サターン聖は五老星の「科学防衛」担当なので、ベガパンクを直接統括する立場なのだろう。運の悪いことに、くまもまたゴッドバレーを逃げ出す際にサターン聖と因縁をもっており、ふたりにとって非常に残酷な“条件”が突きつけられた。
大まかにその条件は3つ。
ひとつ目は、くまが海賊として「王下七武海」に加入すること。これは政府・海軍の手先として働くと宣言せよ、ということ。
ふたつ目は、くまの強靭な肉体を機械化することでさらに強化すること。
そして3つ目は、一切の「思考」と「自我」を捨てること。革命の戦士だった“過去”があるくまが、政府によって強化された力を使って政府に牙を剥くようなことがあってはならないという保険である。
サターン聖の言い分は(人道的にどうかという点を除けば)意外と理に適っている。政府から逃げ出し、政府に弓を引き、海賊となったいち犯罪者の願い“ごとき”のために膨大な費用と最先端医療を提供する義理はなく、その無理を通すにはこのぐらいの見返りと保険がなくてはできることではない。法の執行者である五老星の立場ならなおさらとも云える。
そう、この条件はくまもベガパンクも断ることができるのだ。
政府のやり方が気に入らなければ、ベガパンクは政府の後ろ盾なしで研究を続ければいいし、くまは莫大な治療費をどこかから盗むなり稼ぐなりすればいい(間にあうならな…)。あるいはすべて諦めるという選択肢も残されている。サターン聖はこの極めて非人道的な“条件”を強制していない。
ベガパンクは怒髪天で不条理に抵抗するも虚しく、しかしくまの願いと覚悟はそんな不条理に圧されるレベルを到底超えていた。
ボニーは手術と術後の治療・経過観察に1年半をかけ、くまは「王下七武海」として海の治安維持に協力しながら2年以上かけて身体を改造、最終的にくまが自我を失うまでボニーは世界政府の管理下に置かれ、くまにはボニーとの接触・逃走が禁じられた。
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それからの半年間は、くまとボニーにとって最も幸せな時間だっただろう。第8研究所に留まりボニーは手術を、くまは肉体改造を受けながら、ずっと一緒に過ごした。
研究所は次第に規模を大きくし、研究員も増員する中、いつも大勢で笑って暮らした。
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そして半年が経ち、ボニーはソルベ王国での在宅治療となった。あと一年で完治が見込まれている。完治後の希望に満ち溢れるボニーを置いて、くまは去らねばならない。
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海賊のくせに、指令に対して従順すぎるくまの「王下七武海」加入は世界中で話題となる。
ワンピースの物語がはじまる1年と少し前の出来事。ティーチはまだ白ひげの船に乗っており、コビーはアルビダの下働きをさせられていた。
15〜6歳のルフィがガキすぎるように見えるが・・・まぁいい。そんな中、くまの船がフーシャ村に到着する・・・。
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2年前のシャボンディ諸島で、くまが麦わらの一味の窮地を救った理由となる出来事がなにか描かれそうだね。
単にドラゴンの息子だから助けたというわけではなかったらしい。ゴムゴムの実を食ったルフィに「ニカ」の姿を重ね見るような事件が起きるのかも。
くまは「ゴムゴムの実」が実は真の名前を隠された「ヒトヒトの実 モデル:ニカ」ということまでは、おそらく知らないと思うけど、しかしシャンクスは知ってたっぽいしなぁ。
いったい政府はここでくまに何をさせるつもりなんだろうね。
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あーそうそう「ニカ」といえば、
ボルサリーノは、くまたちと一緒に踊ったとき、どんな気持ちだったんだろうか。
すでに大将になってた黄猿は、さすがに「太陽の神ニカ」のことを知らないはずはない思うんだ。
毎日のように楽しく飲んで食って踊ってしてたら、その踊りが何なの?って話にならないはずはないし、くまが「太陽の神ニカ」を密かに崇拝していることを知ってしまったら、黄猿はこの踊りをその他大勢の研究所スタッフの前で披露することをやめさせなきゃいけないだろうよ。
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ってか、一緒に飯食ってるボルサリーノめっちゃ楽しそうなんだけど、これが「素」なのかなぁ・・・。
黄猿を見る目が変わっちゃうなぁ・・・
Comment
だから黄猿は「どっちつかずの正義」なのかと思いましたー。
1090話のときに書いてますが、赤犬の正義と青キジの正義のどちらにも与しない所謂「中道」の正義を掲げている(というか謳っている)ようですね。