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ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #27「「クヌム神」のオインゴと「トト神」のボインゴ」

 




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コミックス 20巻08章中盤~21巻01章までに該当。
書物の神「トト」と創造の神「クヌム」
オインゴ・ボインゴ兄弟
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原作では、まんま「OINGO」と書かれていた兄オインゴのシャツの模様が
クヌム神のカードをイメージしたイラストに変更されている。
JOJO-03SC_27c.jpg JOJO-03SC_27d.gif
マンガの中のキャラクターは、
それぞれ「OINGO」「BOINGO」と胸に書かれていたものが
前回の「911」同様、いずれも削除され
オインゴの帽子の装飾までいくつか省略されている。
しかしこの本は
「オインゴとボインゴ兄弟大冒険」というタイトルの作品なのだから
名前を隠す意味はまったくない。
制作上の都合だとしても、
マンガなので必要なのは止め絵のみで、動かす必要もない
しかも、ほぼ原作の荒木原稿のトレースなのに
省略する意図が皆目わからない。
あと、せっかく変身能力初お目見えなのだから、
もっと、わざとらしいほど元の顔とぜんぜん違う顔に描いて欲しい。
ボインゴもおどろおどろしい「引きこもり感」が圧倒的に足りない。
今回オープニングが省略されたのは、尺が足りないわけでも、
エピソードの導入部分を6分間も前回のうちにやってしまい
張りつめる緊張感のなか始まるからでもない。
この27話は、なんというか・・・息抜き回、
いやむしろ「イレギュラー」といっても良い。
今回ばかりは、これまで見てきたジョジョ第一部〜三部、
そして今後エンディングまで続く残りのお話とは
趣を変えて楽しんでもらいたいという製作陣のはからいなのだと思う。
そう、今回のお話は、ジョジョ第三部屈指のギャグ回なのだ。
オインゴ・ボインゴ兄弟の「トト神」と「クヌム神」は
近い将来を予言する能力と、変身能力。
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髪の毛一本動かす力も持たない最弱のスタンドと
スティーリー・ダンが自ら卑下した「恋人」も裸足で逃げ出すくらい
JOJO-03SC_27f.jpg 本当に弱い。
・・・というか、
兄弟どちらも直接的な攻撃手段をまったく持っていない。
確かに「トト神」の予言には、馬鹿にできない信憑性がある。
しかし、いかに身長・体重・匂いまでも完璧に変身できるとはいえ
変身しかできない「クヌム神」は、
見た目の変装に加えて恐ろしい攻撃能力を持つ
「黄の節制レロレロ」や「女帝チュミミン」と比較した際
決定打に欠けると言わざるをえない。
今回のお話は、
ジョースター一行が如何にして敵スタンド使いを倒すか
ではなく、
敵スタンド使いが、如何にして予言の通りに事を進めるか
そして、都度起こるトラブルを如何にして回避するかを楽しむ話だ。
「トムとジェリー」のトムや「ロードランナー」におけるワイリーコヨーテの
立ち位置で見るといいだろう(古いか・・・
そしてその作劇の仕掛けとして
JOJO-03SC_27g.gif
JOJO-03SC_27h.jpg JOJO-03SC_27i.jpg
普段の承太郎なら絶対にしない格好、言葉、態度を
承太郎の顔でやってのける滑稽さが見所だ。
きっと、荒木先生も普段は絶対描けない表情の承太郎を
楽しんで描いていただろうし、
アニメで承太郎を演じる小野Dもノリノリで演じているに違いない。
オインゴの視点で話が進むため、その後ろ暗さから、
JOJO-03SC_27m.jpg
ジョセフとポルナレフが必要以上に懐疑的態度に描かれている。
紅茶を飲むのを邪魔し、捨てた爆弾を拾ってくるイギーなども
本当はニセモノ(敵)だと気付いていながら
わざとからかっているんじゃないのか?と思うくらいだが、
誰も最後まで本当に気づいていないらしい。
そう。ふたりのスタンド使いにスタンド能力で襲われたが
スタンドバトルは一度も発生しない。
それどころか、ジョースター一行はスタンドを出しさえしていない。
何しろ、攻撃を受けたことにすら、気づいていないのだから。
そして、今回がイレギュラー回であることを印象づける極めつけが
特別仕様のエンディングだ。
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ベースラインが、なんだか初期のタイムボカンシリーズEDを
彷彿とさせる「アク役◇協奏曲」
オインゴ・ボインゴ役のふたりが唄っている。
実は、車のドアを壊す際にオインゴが唄っている鼻唄は
この曲だったりする。
次回:「アヌビス神」その1
余談だが:
今回はオインゴの視点のせいなのか、
一行(とりわけポルナレフ)の素行が酷い。
・火のついたタバコを投げ捨て、それが原因で火事が起きたことに気づかない。
・イギーが咥えてきたオレンジを花京院たちへの見舞いの品にしようとする。
・そのドブに落ちていたかもしれないオレンジを窓からポイ捨てする。
主人公たちの行動としては道徳の在り方が問われそうな行動ばかりだ。
また、放送内容の画面上は「それ」は承太郎ではなかったが
JOJO-03SC_27k.jpg
17歳の承太郎が火のついたタバコを咥えたことがあると示唆する言質が
ポルナレフから明らかにされた。
仮に、火のついたタバコを咥える「隠し芸」は「喫煙」には当たらない
と、いうのなら、
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ダークブルームーンの時だって「火は点けたが吸っていない」とすれば、
あんなに真っ黒に塗りつぶす必要はなかっただろう。
自主規制の本質を鑑みれば
未成年者が喫煙しているところを、
直接絵で表現しなければそれはセーフ、ということもないはずだ。
(でもたぶんそう判断したのだと思う
承太郎がタバコを吸うシーンは、あともう一回在ったと記憶している。
そっちはたぶん塗りつぶされるか、別の行動に置き換えられるんだろう。
残念だ。
あと・・・
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イギーがいきなり可愛くなっとる・・・
手懐けられない畜生扱いは前回限りだったらしい。
注)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
コミック版との比較をしてみようというスタンスで書いています。
決して原作やOVA版崇拝者ではありませんし、アニメスタッフに喧嘩を売るつもりもありませんが
思ったことは言うというブログ自体の姿勢を崩すつもりはないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思います。
それについては、何というかもう・・・ご了承ください。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

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Comment

  1. 名無し より:

    海外の反応を伝えるサイトによると配信ではゼニヤッタ・モンダッタという字幕になっていて、明らかにオインゴ・ボインゴと聞こえるのにおかしいという話になっているんだとか。
    元々海外版のコミックスがそう直されている事に合わせている(元々ミュージシャンの名前を使ったりしているのでこれまでも結構修正が入っているっぽい)という話もある。

  2. BIE(管理人) より:

    >海外放送版だと違う名前
    そうなんですか!? エルフマンあたりから苦情でも出たのかな?
    じゃあ、そのせいである可能性が高いですね。

  3. 通りすがり より:

    何か海外放送版だと版権上オインゴとボインゴが違う名前になってるらしいんで
    服の名前消したのはそういう意味じゃないですか?

  4. タケ より:

    管理人さんの予想通り、タバコOKでしたね~
    お遊び回で楽しかったです。EDは、キャスティングもバンド活動されてる保村さんと子供番組で歌を沢山歌っているくまいさんという、歌も得意な方々だったので、テニプリなどキャラソンを出しているホルホースの木内さんコンビにも期待大ですw

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