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我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1038「キッド&ロー vs.ビッグ・マム」

 




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ルフィがカイドウと戦い、キッドとローがママと戦う。それら、この討ち入りの趨勢を決定づけるメインストリームのその裏で、ある者は奮闘し、ある者は力尽き、またある者は暗躍し、混沌とした戦乱各所の様子が克明に描写されている。
相当な数に細分化された勢力個々について、少しずつでも話を進めないといけないので、切れ切れにカットが移り変わるのが、ちと煩わしいと思わなくもない・・・。



キングに撃ち勝ったゾロは、強敵を下した気の緩みか、それともドーピングの効果が切れたのか、ピクリとも動かせない身体を横たえ、死神に迫られていた。

これが、死の淵を彷徨う限界突破が見せる幻覚なのだとしたら、僕には大きな違和感が拭えない。
死の淵で見る禍々しい幻覚とは、深層意識下の「死」とか「恐怖」のイメージが具象化されるものじゃないんだろうか。
ワノ国にルーツを持ち、閻魔の名の通り「地獄の王」になってやろうかと息巻くゾロにとってのその無意識下の「死」のイメージが、いかにも洋風な死神の姿をしているのは、どう考えても不自然だ。

スリラーバークでオーズとモリアを倒した総力戦のあと、ゾロはバーソロミュー・くまの能力で、ルフィの全疲労・全ダメージを満身創痍のその身に上乗せした。
その際ゾロはあまりの痛みと衝撃に悲鳴を上げたものの意識を失うまでには至らなかった。

仲間の安否を確認してからは目を開けることもできないほどだったので、ゾロの身体がどれほどボロボロになっていたかは容易に想像できる。
それでもあの場で倒れずに立っていられたのは、くまが本当にこれ以上ルフィや仲間たちに危害を加えないか、気を許せなかったからだろう。

今回も同様に、強敵キングを打ち倒し、自分にしかできない大きな役割はひとまず果たしたものの、ゾロにとってまだ気を緩めていい場面とはいい難い。

それは、サンジに「もしも」のときの後始末を頼まれているからだ。
約束したからには、これは「勘弁しろよ」とはならない。サンジの現在の様子を確認せずに意識を失うわけにはいかないはずだ。

ドーピング前は骨が2〜30本折れていたのだから、薬の効果が切れれば当然また折れた状態に戻る。身体を動かせないのは当然だ。


要するにゾロが見ている死神は幻覚などではなく、現実にゾロに迫っていると僕は考える。
ただし、視覚も精神も疲労困憊なので、目の前にいる物体(人物?)を正しく認識できていない可能性はある。とすると、そこに居るのはブルックかもしれないな。


錦えもんと菊をウソップたちに委ね、後詰めを買って出たイゾウは、城内地下一階でCP-0と鉢合わせした。
CP0は先を急ぐためスルーしようとしたが、どうやらイゾウはそれを許さないようである。


ところで、CP-0が云う「歴史的な罪を犯した」白ひげの残党とは?

まぁ… 海賊であれば多かれ少なかれ何かしら罪を犯しているとは思うが、基本的にはそれを取り締まるために海軍が存在するわけで、天竜人直属のCP-0が立場上無視できない罪とは、海軍が定義するところの「罪」とはやや趣の異なる、天竜人にとって都合の悪い事案だったということだ。
さらに「歴史的な罪」となるとそれは、数百年間まれに見る、という意味の歴史的な大罪を指すのか、天竜人にとっての「正しい世界の歴史」に対する罪、という意味なのか。

ま・・・後者だろうな。

何が罪か。
白ひげがほかの海賊と異なる点は、まずは戦闘力はもちろんその人望・人脈。四皇、世界最強の海賊として長らく権威を持ち続けたこと。
史上最悪の海賊の一族郎党ことごとく処刑するレベルの捜索を掻い潜ったロジャーの息子エースを庇護し、捕われたエースをめぐり海軍と大戦争を起こしたこと。
そしてそのさなかに、「ひとつなぎの大秘宝」は実在すると高らかに証言したこと。
・・・これかな、やっぱり。

CP-0のの物言いから、「歴史的な罪」を犯したのはあくまで白ひげ個人であり、彼ら残党は、同調しその意志を継ぐ者として、天竜人にとって都合の悪い事実を知ってしまった要注意人物、という扱いなのだと思われる。

だが、イゾウにとっては、今CP-0が標的とする「麦わらの一味」はすでに特別な存在となっている。イゾウ個人は頂上戦争でルフィを見たくらいしか情報がないかもだが、マルコも気に入っているようだし、何より錦えもんたちが強く信じる男をイゾウ自身も信じたいはず。

ここは、ワノ国の未来のためにもCP-0を行かせるわけにはいかないのだ。

今回のメインイベント


キッド&ロー vs.ビッグ・マム

二人がかりのキッド&ローは覚醒した能力の披露も虚しく、自分の寿命を削って巨大化したママの凄まじいまでの攻撃にグロッキー。


だが、ママも相応に疲労は激しく、屋上のカイドウを気にかけた折に、ローたちがふたたび立ち上がったことに気づかなかった。


さっき血ヘドを吐かされた、ローの「衝撃波動ショックヴィレ
そして畳み掛けるようにキッドの「磁気大魔牛パンク コルナ・ディオ


おれの首がよっぽど欲しいらしいなガキ共… というママの言葉への、キッドの意外な告白。
今はなぜか別の目的に動かされてる気がする・・・屋上へは死んでも行かせねェ!!!

誰の力も借りずひとりで成り上がることに拘っていたキッドが、裏方に徹する覚悟を自覚した。
どんなに無敵に見えてもノーダメージの物体など存在しない。ママがそうであるように、カイドウだって今頃は疲弊してきているだろう。
そっちはルフィに任せてある。だからこそ今は、ママにその邪魔をさせないのがキッドの、そしてローのプライドなのだ。

ふたりはママを倒すことができるか。
僕は、残念ながらトドメを刺すまでには至らないのではないかと考えている。たとえばホーミーズたちの判断で撤退するとか、ふたたび記憶を失ってしまい倒す気を削がれてしまうとか。
あくまで僕の希望として、ルフィ以外の人に勝利してほしくないだけなんだけどね。

ところでプロメテウスの姿が見えないけど、巨大化ママの髪が燃えてるように見えるのって、ひょっとして・・・食ったのか?プロメテウス・・・。

あとね、


火前坊が武器庫の火薬に接触するギリギリ前になんとか間に合ったヤマト。無侍氷牙ナムジヒョウガで弾薬をとりあえず凍らせた。
見たところ急速冷凍で表面だけ凍っている感じで湿気ってない。「火」そのものである火前坊が接触しては、着火も時間の問題である。

火前坊を殴りつけるヤマト。
ん、あれ?
火前坊って壁も床もすり抜けるのに物理攻撃が効くのかよ。覇気を纏った攻撃だけ当てることができるとかかな。もしくは冷気。


ところが、これまで無言だった火前坊が唸り、言葉を発した。

ってかさ、カン十郎の能力(プラス執念)が産み出したんだから、火前坊が動いてるすなわちカン十郎が死んでないってことだよね。
描き出したニセおでん様を通して会話できてたから、この声はカン十郎が喋っているんだろうか。
それならば術者=カン十郎を始末すれば、火前坊も消滅しそうだけど、そんなに簡単に片付きそうにも思えない。う〜んはてさて…

とりあえず、そうな・・・ヤマトの服、燃えちゃわないかな・・・

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Comment

  1. つがな より:

    >相当な数に細分化された勢力個々について、少しずつでも話を進めないといけないので、切れ切れにカットが移り変わるのが、ちと煩わしいと思わなくもない・・・。
    新世界編ではずっと付き纏う問題ですよねこれ。
    麦わらの一味も9人と主人公チームとしては結構な大所帯になって来ているのに、さらに一味以外の味方キャラまで戦闘シーン描かなきゃだから何度も場面転換しなければならず、かつ序盤のようにそれぞれのバトルにあまり尺割けなくなっているという。
    飛び六胞なんかモロにその煽り受けていると思います。

    ヤマトの服燃えれば良いのには自分も同感です。
    しかし登場から一年足らずでこの人気。

  2. 匿名 より:

    管理人さん、例のニュース見ましたか?流石にここも危ないのではと思ってます。

    • BIE(管理人) より:

      セリフの書き起こしサイトの件ですね。
      うちとはスタイルがかなり異なりますが、権利者にとっては違法性は同じ・・・になるんでしょうかねぇ

  3. 匿名 より:

    最後の一文で笑う。それは思ったよ俺も!

  4. 匿名 より:

    二年も戦ってたらみんな疲れますよね…(読者も…)

    • BIE(管理人) より:

      広げた風呂敷をたたみにはいると、やらなきゃならないことが多すぎてオダッチも大変でしょうね。

  5. smith より:

    この顔を覆っているCP-0、シャンクスに見えてしょうがないです…

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