ONEPIECE 1042「枕詞は“勝者”にゃつかねェ」
Vol.6は、19男モンドールの能力で、生きた標本として捕らえられたニジとヨンジが収録された「本」が、プリンが管轄するショコラタウンから、ホールケーキアイランドに移送される。
「本」のタイトルが「VINSMOKE」となっているので、一冊まるごとヴィンスモーク家とジェルマ王国に関するものだけを掲載しているようだ。タイトル下の「66」とあるエムブレムはジェルマ王国の国旗だろうか。
その護送をどうやらママの四男オーブンがするらしい。
ペロスペローをはじめ名だたる強い兄弟たちはみなワノ国に遠征中。オーブンの三つ子の兄弟であるダイフクもワノ国で、兄弟最強のカタクリが静養中(もしくはやる気を失っている)としたら、残存の最強戦力がオーブンであるはずだ。
当然ジェルマがふたりを奪還しに来ることを想定した人選と思われ、あわよくば本の中身をより充実させる腹づもりなのかもしれない(モンドールがワノ国に行っているので新たな収蔵はできないかもしれないが)。
だが、これは悪手だと言わざるを得ない。
だって、モンドールの本って燃やしたら脱出できちゃうのに、オーブンの能力は「加熱」。襲撃を受けるなどしてオーブンがマジバトルしたら、本に引火する展開なんかいくらでも考えつく。
他の誰かが護送したほうがいいんじゃないかね。ブリュレがいるから道中に襲われることはないんだろうけどな・・・。
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花の都では空船に火が入り、火祭もいよいよ終盤。
ルフィとカイドウの戦いも佳境に入っていた。
想像を超える動きをするルフィの技に手こずりながらも、「酒龍八卦」の新たな上戸(モード)を次々と繰り出すカイドウ。引き出しの多さと闘い慣れした経験値を感じる。
相手を挑発する「甘え上戸」に、相手の技を真似する「盗人上戸」
一進一退の高レベルな攻防が繰り広げられるものの、タイムリミットに焦るルフィが勇んで出した現状ギア4th最大の技「覇猿王銃オーバーコングガン」は、カイドウ相手では一撃必殺の技とは云えなかった。
それを凌駕するカイドウの「咆雷八卦」はまさに必殺の技。
ギア4thの力を失いつつあるルフィは、もう一度最後の「覇猿王銃」にすべてを掛ける。
それを「殺戮上戸」のモードに乗せて、真っ向から受けて立つカイドウ。
しかし互いに最大の技を振りかぶったそのとき、ルフィの攻撃を邪魔する影があった。
カイドウの脳裏に忌まわしい記憶が蘇る。
過去最大にして唯一自分が追い詰められた、おでんとの闘いの虚しい決着を。
光月おでんは強かった。
魂も肉体も技もすべてが強靭だったおでんに、カイドウは一瞬敗北を悟ったが、黒炭ひぐらし婆ァの無粋極まりない横槍で、望まぬ形で勝利してしまったのだった。
おでんには届かずとも別の可能性を覗かせる、ルフィとのある意味充実した闘いに水を差したのは
決して望まぬ結末(?)に歪むカイドウの苦悶の表情が印象的だ。
ルフィ撃沈!?
カイドウはそれをよしとするのか? 勝負の行方はいったいどうなる。
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命尽きる前にせめて一太刀・・。
冒頭のドレークの行動は「ルフィを信じたと」いうよりは、「天竜人の望むままにはさせない」という強い気持ちの現れだ。
過去の経緯はよく知らないが、根っから筋金入りの「海兵」であるはずのドレークが最後の力を振り絞った行動は、明らかに海軍・政府への裏切りであり、その行動の根拠は「おれの正義」だという。
その瀕死のドレークの「おれの正義」を、ヒゲマスクのCP-0は「羨ましい」と言った。
これは「天竜人が法」「力こそ正義」という社会の絶対的構造を、彼が否定する気持ちを持っていることの証左だ。
だが、彼がドレークと同じように瀕死の状況で力を振り絞って為した行動は、あくまでも「任務の遂行」だった。
ドレークが自分の意志を任務よりも重視したことが羨ましい。自分(たち)はそれを許されていない=従う以外の選択肢がない。そう教育されているからか、弱みを握られているのか、事情は様々あろうが、彼らにとっては個人の感情や気持ちなど、任務遂行と比べるまでもない取るに足らない事柄(でなければならない)なのだろう。
おそらく彼の目には、ドレークの行動は「羨ましい」と同時に「愚かしい」と映ったはずだ。
五老星からの指令に、カイドウのマジバトルに乱入するするなど不可能と感じ、仲間にはそれを言葉にもした。五老星がなぜそこまで執拗に麦わらのルフィを危険視するのかも理解できない歯がゆさを心に持ちながらも、彼はあくまで任務を遂行した。瀕死の状態で、この一瞬しか無い好機を見極めて。
ドレークは最期(?)に人間らしい行動をした。CP-0は今際の際まで個人の感情を押し殺して任務への忠実を貫いた。天竜人の世に理想を感じているわけでも、五老星のカリスマに心酔しているわけでもないのに・・・。これは異常だ。
まぁ・・・CP-0の感情とか、ぶっちゃけどうでもいい。
このヒゲマスクのCP-0は、任務を全うしてこのまま力尽きるかもしれない。もう自分を縛るものはないと安堵して死ぬかもしれない。
だが、もしそうなったら、カイドウの気持ちはどうなるんだろう。
この一コマに込められたカイドウの感情は何だ。
「何してくれてんだ!?」
「やっちまった!」
「また死に損なった・・・」
「いい友達になれると思ったのに・・・」(これはない)
大きな精神的ゆらぎがカイドウを襲う。ここで戦は終わるのか? こんな形で敗北するルフィに、カイドウはいったいどんな言葉をかけるのか。
もはやルフィに反撃する力が残されていない以上、ここからカイドウを倒す展開が想像できない。
カイドウが凄まじく動揺すれば鬼ヶ島を浮かせている焔雲が消えるかもしれない。
モモの助が命令を下さないことで象主がピンチになるかもしれない。
オロチが起死回生の一手を出すかもしれない。
火前坊がまだ消滅しておらず再起動するかもしれない。
複合的な要因で激動が起こるだろう。その間にルフィが回復してもう一度再戦するか・・・?いや、さすがにそこまでは引っ張らない?
予想のつかない展開に困惑してるぞ。どうなる!?次回!!!
Comment
本当にありえなさそうな展開なんですが、この攻撃がルフィにヒットした事によってゴムゴムの実の「覚醒」が起こるとか・・・どうなんですかね、これ
ある意味この流れもワクワク展開だと思います。何故ならもし前回と今回のギア4にてカイドウを倒してしまったらやはり、読者側としても物足りなくてつまらない感じもしたでしょう。
やはり結末にたどり着くまでは、もうひと頓着…という方が面白くなるということを作者は意識しているのでしょう?
引っぱりますねぇ・・・。
本当に1200話で終わらせることができるんでしょうか・・・