わたしの好きな言葉です(ニコリ シン・ウルトラマン観てきた
シン・ウルトラマンを観てきた。
考察やらストーリーの紹介は、余所のブログやYoutubeがいくらでもやっているので、感想を少しだけ。
※ネタバレあります。
文句なく面白かったが、もう一度劇場に足を運ぼうと思うほどではなかった。
元々30分のストーリーを複数組み合わせて2時間の尺に収める都合上、シン・ゴジラよりも散漫な印象になるのは仕方のないこと。
とはいえ、前日譚としてのウルトラQ怪獣(禍威獣)の出現から、パゴス〜ネロンガ〜ガボラの着ぐるみ繋がりの系譜、エネルギーを求める禍威獣出現の必然性、それら禍威獣の存在とその対応に人類が右往左往する様子を利用せんとするザラブやメフィラスの暗躍、その中で人間とウルトラマンが紡ぐ信頼関係・・・。いやぁ、絶妙な構成に関心しきりなのだ。
ゾフィ(ゾーフィ)とゼットンの扱いがオリジナルと大きく異なっているが、それにしたって元ネタがあるし、1兆度の火球が実際に吐かれたらどうなるかと考えると、ゼットンのあの姿にも納得せざるをえない。
「にせウルトラマン」や「巨大長澤まさみ」のみならず、ウルトラマン初登場時の顔がAタイプ風のボコボコマスクだったり、飛び人形風のアクションや、ガボラを殴って仕留めたりなど、随所にニヤリとさせる小技・演出があり、本当にウルトラマンへの愛に溢れた映画だと思う。
│
科学的な考証・考察からウルトラマンの身長・体重も改められて、40mだった身長は60mに。
まぁ今どき40mだったら、うちのマンションから頭がちょっと出る程度なので、東京のオフィス街でバトルする場合「絵」にならないわな。昭和のミニチュア特撮はスケール感がいい加減だったからな。(ちなみに、まもなくはじまるデッカーが55m、メビウスは49m、グレートが60mだったかな。
│
最初のマーブルタイトルが「アレ」だったことで、シン・ゴジラと世界観が共通なのではないか?という説もあるようだが、僕はその可能性をあえてチラつかせているだけだと思う。
赤坂補佐官にしか見えない竹野内豊はあくまで「政府の男」。
総理大臣役の嶋田久作は、シンゴジでは臨時政府の外相役で、国連の核兵器使用決定に涙ぐんでいた。数年後に首相になっててもおかしくない。だが、そうなるとシンゴジで戦車隊の中隊長だった池田と、今作の主人公:神永新二との関係は? と、この辺は追求しても意味がないのだろう。そういう疑念を抱かせた時点で術中にはまってると考えていい。ずるいけど巧いね。
│
ゾーフィの声が、毎度おなじみ山寺宏一だった。
オリジナルの最終話「さらばウルトラマン」をあらためて観てみると、ゾフィーの声って山寺声に結構似てる。でも「七色の声を持つ」といわれる山寺の方からは、オリジナルのゾフィーに似せにいってないのが、僕的にはポイント高い。
メフィラスの声が加藤精三じゃなかったのは少し残念だけど、こればっかりはライブラリ音声や合成でできることじゃないし仕方ないな。ま、その分山本耕史による新しい「メフィラス」像がいい意味で完成したし、文句のつけどころもなかったしね。
│
事前に特報映像で観たネロンガとガボラはCG丸出しだったんだが、本編ではテクスチャや光彩を調整したのか、かなり着ぐるみ感が増していた。ただ、肝心のウルトラマンのCG感が強すぎるのだけが僕が気に入らなかった部分だ。
かつて観たメビウスの劇場版での空中戦で、CGのウルトラマンを初めて観たと記憶している。
画面狭しと縦横無尽に飛び回る、板野一郎によるCG演出とそのシズル感にはげしく違和感を覚えたものだが、あれはミニチュア特撮の制約に縛られない新しいウルトラマン表現への試みだったのだな…と、今になって理解できる。
とはいえ・・・CGの技術が当時より格段に上がっている現在においても、ウルトラマンの身体はCG感がありすぎて、どうしても気になってしまう。「CGなんだな」と明らかに観てわかってしまうと、作中での存在感が希薄になってしまうように思えてならない。
│
やはり「ウルトラマン」には着ぐるみ特撮の方が似合っていると(あくまで僕は)感じた。着ぐるみではできない表現として部分的にCGを使う方がいい気もするが、そうなると今度は着ぐるみのシーンとCGのシーンの違和感がより浮き彫りになるので・・・じゃあいっそ全編CGで、という判断は・・・正解なんだろうなぁ。
│
最後に、ネットでこんな画像を拾ったので無断だが掲載する
初代マンの中の人:古谷敏と、新マンの中の人:きくち英一だ。
この写真がいつ頃撮られたものか知らないが、数十年経ってもポーズの特徴が身体に染み付いているというのはスゴイな。
シン・ウルトラマンでは、古谷敏や黒部進のカメオ出演があるかも…と密かに期待していたんだがそれはなかったようで、しかし「プロポーションモデル」「モーションアクター」だったかな?に、古谷敏がクレジットされていたことが嬉しかった。
・・・しかしその割には、シン・ウルトラマンからは古谷敏が中に入っている雰囲気をあまり感じなかったんだけどね・・・。
│
あと余談だけど:
終始無表情な斎藤工の顔が、ときおり板尾創路に見えたのは僕だけだろうか・・・。
Comment
特撮面は全く文句なかったですね。ストーリーも要所要所はいいんですけど、こうここ10年の本家シリーズと同じで変えちゃいけない設定を変えちゃってるのが何ともなあ、と思いましたね。外伝みたいに人目につかないならともかく宣伝もテレビでめっちゃして多くの知らない一般人に方々に見てもらう作品でアレだと勘違いされてちょっとなあ。
ワンピ以外の作品についての記事、久しぶりですね。
もしかしてサイトをこちらに引っ越されてから、初めてでしょうか。
斎藤工と山本耕史は無機質演技向きだなと感じました。
特に山本耕史は、ゼロワン映画でも良かったので、
人間ではない役、向いてるなーと。
ワンピ以外の記事を書くのは本当に久しぶりです。
毎週レビューしたくなるようなアニメや特撮があればいいんですけどね。
あと、記事を1本書くのに、昔より時間と体力が必要になりました。