ONEPIECE 1088「最後の授業」

見開きカラー扉はネトフリ実写ドラマとのコラボ
描かれているのは実写版に登場する麦わらの一味の五人と、脇を固めるゲストキャラたち。
シャンクス、コビー、バギー、キャプテン・クロ、アーロン、ミホーク、爺ちゃんと・・・あと誰だこいつ？と思ったら斧手のモーガンか。扱い酷いな・・・

機会があったら観たいとは思うが、このためにネトフリ契約しようとまでは思わないなぁ。

│

さて本編
アバロ・ピサロの「シマシマの実」の能力で生やされた超巨大な腕が軍艦を襲う。
ガープの「拳骨メテオ」に覇気を纏わせれば破壊できそうな気がしていたが、破壊だけしても瓦礫が降ってくるので船は助からない。まぁ「拳骨メテオ」撃つには砲弾が大量にないといけないし、そもそも現在のガープにはその体力はないかもな。

そのためガープから若者たちへの最後の実践授業は「何とかしろ」というもの。ただし無茶振りの割にはかなり具体的。
ガープは三人の実力を熟知している。しかしその力を出し惜しんだり使い所を誤れば勝機を逃すこともある。

「迷う奴は弱い」とガープは云った。
単純に「なりふり構わない奴は手強い」「腹を括った奴は強い」とも云う。それは信念に揺らぎがあるクザンに向けた言葉だったが、正義を守る側の実力者が力の発揮を躊躇していては、真の「悪」は倒せない。お前たちは何のための「SWORD」か。と問うているのだ。

│

ガープが一瞬の隙を作ると云って飛ぶ。
油断したクザンをぶっ飛ばし、海賊島の頭部をかち割った。
│

続いてコビーが飛ぶ。
二年前の頂上戦争では声を枯らして叫ぶしかできなかったコビーが、今や主役のような凛々しさで

コビー覚醒
見事殻を破り、覇王色の覇気を乗せた拳を打ったようである。

「実直拳骨 オネスティ・インパクト」
名前はともかく、技の本質はガープのそれを受け継ぐもの。

雑用雑用、特訓特訓と、自分にできることを着々と積み重ねてきた実直さに加え、他人の100倍の努力を重ね、二度と自分の信念を裏切らないと心に誓った「真っ直ぐ」なコビーの真骨頂。
│

追手を撃破して船の安全はひとまず確保され、最後の三人も船に乗り込んだ。
しかしハチノスにひとり残留したガープは、自分のことはいいから全速力でこの場を離脱せよと命じた。
│

コビーを中心とした彼ら若い海兵たちこそ「海軍の未来」。

かつてガープは教え子たちに「海兵とは人の未来を救うためのもの」「老い先短い年寄よりも無限の未来を持つ若者を救え」と持論を説いたが、今がまさにそのケース。

今回の救出劇は伝説となる。語り継がれて、彼らの存在が海賊たちの脅威となる。そのために今ここでこれ以上損耗するべきじゃない。政治的判断におもねらない彼らの時代が訪れれば、世界は新しい構造の秩序を手に入れることになるかもしれない。

ガープの左胸には氷が深々と突き刺さり、今にも全身が凍りつくだろう。
またも親しい人を氷漬けにすることとなったクザンは、自分にはできなかった海軍の体制転換をも期待された弟弟子に、それを「してやったり」と笑って逝く師匠の死に、何を思うのだろうか。

ここで、果たしてガープは死んだかという疑問。
サウロは生きていたようなのでガープも死んではいないと考える人もいるようだ。クザンとしては殺したくはないだろうが、だがかつてのは海軍内の事案で、今回は海賊としての明確な敵だ。コビーを交渉材料にしようとしたように、英雄として名高いガープの身柄には価値がある。とはいえ、今回ガープが残り若者を生かした文脈からは、海軍首脳すらも老兵を見捨てる可能性が示唆される。そもそも退役兵の独断行動だしな。
ガープは死んだつもりだろうし、黒ひげ海賊団も生かしておかないと思うね。もし死んでいないとしたら、その鍵を握るのはクザンの「迷い」・・・だろうね。

│

ところで、
ピサロの「シマシマの実」の能力は、ピーカの「イシイシの実」の上位互換かと思いきや全然違った。
ピーカは作り出した巨大石像の中に潜んでいて、石像が損壊してもピーカ自身にはノーダメージだったが、ピサロの本体は島の頭部や腕と連動しており島の損壊が自身のダメージになっていた。

自在に形状を変えられそうなことは便利だが、これじゃあただデカいだけのサンファン・ウルフと同じじゃないか。
悪魔の実の能力だから島に足を生やして海を歩いて移動することはできなさそうだし、陸上拠点では使えても船の上では能無しだ。ちょっと雑すぎる気がするな。サンファン・ウルフの「デカデカの実」もな。

│
あと、

コビーが逃げ出すときにその場にいたはずの、モリアとペローナはどうなったんだろうな・・・。