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我思う故に・・・新館

ONEPIECE 1106「きみの味方」

 




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空中に放り出されたボニーとくま。それを何体ものパシフィスタ・マークIIIが狙う。
だが、さすが超一流の科学者は、“こんなこともあろうか”と秘密の抜け道を用意していた。


パシフィスタに命令を与える“威権順位”には絶対性がある。命令する権限を与えられた者が持つ「威権チップ」を標準とし、通常パシフィスタたちを指揮する戦桃丸、続いて彼らの産みの親であるベガパンク、そして政府最高位の五老星と、命令の優先度は順に高くなる。

だからこそ、四皇:麦わらの一味を味方につけたベガパンクを相手取るうえで戦況を劇的に優位にするために、わざわざ五老星であるサターン聖が自ら最前線に出たわけなのだが、実はベガパンクはその“威権順位”に「例外」を設けていたのだ。



ベガパンクがもっとも恐れていたのは、海賊となったボニーに父:くまの攻撃が向けられること。
くまの生まれや境遇をよく知りその人となりを深く尊敬し、ボニーを我が孫のように愛するベガパンクにとって、不幸に引き裂かれた父を追い求めるボニーが、やっとのことでめぐり逢えた“くま”に傷つけられることなど、決してあってはならないことだった。

ベガパンクは“くま”の姿をしたすべてのパシフィスタに秘密のプログラムを施した。
世界の最高権力の指令のさなかでも、世界中を敵に回そうとも、くまだけはボニーの味方。
すなわち、いついかなる状況であろうとも、“くま”はボニーの願い(命令)を聞くということだ。



「撃たないで、お父さん!」「あたしたちをこの島から逃がして」

ボニーの声が届いたマークIIIは、その攻撃の矛先を海軍に替えた。サターン聖や黄猿を撃とうとする個体が確認できないのが不思議だが、瞬殺されたのかもしれない。

だがサターン聖はその仕掛けに気づいたらしい。だてに科学者を名乗っていない。
司令塔であるボニーの即時抹殺を黄猿に命じ、自分は忌々しいカラクリを施したベガパンクを刺した。


ボニーに迫る黄猿には、復活したわれらがルフィが応戦する。その姿は…


太陽の神=解放の戦士・ニカ

ベガパンクは云う。
バスターコールなど無駄
何百年も彼を待ち望む者たちが世界中にいる

こうなるとボニーの強さも復活する。
ニカの存在とその強さを信じられるからだ。

そこへ外海から来訪者あり。
おそらく前回のラストで脱出船を追う海軍艦を撃沈させたのが彼らだろう。


ドリーとブロギー
ルフィを「太陽の神」と呼び「迎えに来た」という。
長く生きてるだけあって、いろいろと「訳知り」のようだ。

彼らの尊厳を護りともに戦ったルフィを「友」と呼んでいたが「麦わら」と呼称するのははじめてだ。ルフィに関する情報も得てきたらしいな。
なにしろ彼らはつい昨日までシャンクスと一緒だったからな。

シャンクスは今ここに来ていないと思うが、こうなると、ルフィにわざと「ゴムゴムの実」を食わせた疑惑がまたぞろ濃厚になってくるな。

ともあれ、次の目的地エルバフへ到達できる可能性はグンと上がったし、最悪エルバフへ上陸せずとも興味深い話がたくさん聞けそうだ。
彼らなら200年前にマリージョアを襲った巨神兵のことも知ってるかもな。

さて、ベガパンクは“くま”の姿をしたすべての個体にプログラムをしたと云うが、これが本当ならばPX-Ⅲやくまポリス、2年前に運用されていたPX-1はもちろん、PX-0たるプロトタイプのくま本人、そしてセラフィムくま天使:S-ベアも無条件でボニーの味方ということだ。


「FILM Z」に出てきた白くまPX-Zはゼットの命令に従うようにリプログラミングされているというから無理かな …どうだろうな


クライアントの不利益になるプログラムを密かに忍ばせるなど、「雇われ」の科学者として本来あってはならないことだが、くまとボニーの人生に深入りし過ぎてしまったが故の、これ以上この父娘が不幸にならないために…というベガパンクのギリギリの良心だったのだろう。

ところが、そもそもくま父娘が不幸になった元凶がサターン聖にあったため、この救済措置の発動はクライアントに対する多大なる裏切りとなってしまった。

ベガパンクは五老星からすでに抹殺指令が下りている身である。これまではなんとかその手を逃れて今後も世界の未来創造に寄与したいと考えていたが、


ことこの父娘を擁護して行ったことについては、責任を問われても仕方ないと感じているようだ。

違うよベガパンク、さっきまでと何も変わらないよ。
湧いて尽きないアイデアを実現するためのパトロンとしての政府との関係はどうせ解消するのだろう?
「この父娘をこれ以上不幸になどさせない、ざまぁみろ!」とでも云ってやればいい。
しかしそれができる人間ではない。それはなぜか・・・

ここから分かることは、PUNK-01:正シャカは別として、本体ステラや他のベガパンクは「空白の100年」や「失われたDの大国」について知ったところで、真実を公表するつもりもなければ、歪な社会構造を是正・改革するつもりもないということだ。

クローバー博士やオハラの学者たちは、考古学者として歴史を探求し残し伝える使命感を持っていた。しかしベガパンクは科学者として遺物のテクノロジーを解明する上で「空白の100年」の歴史に踏み込んでしまったに過ぎず、それをどうこうしようと考えていない。

だからこそ「命を狙われるほどヤバいことを知ってしまったから、どこかへ逃げて研究を続けよう」という発想に至った。
だが、パシフィスタへの秘密のプログラムは誰かに頼まれたわけでもなく、実に身勝手な判断でクライアントに多大な不利益を与えている。

これは俗に「マッドサイエンティスト」に“サイコパス”“ひとでなし”が多い(私見だが)中、ベガパンクは人並みに人を愛し不幸を憐れむ心を持っていたことの証左ではあるが、同時に、科学者の矜持として“非科学的”な感情に左右されてルールを逸脱、契約を反故にしたことを恥じているのである。


だが今、古代の神(の化身)という“非科学的”なものが世界に変革をもたらそうとしている。その結果を見届けたいと思っているはずだ。
このジレンマを超え、政府に絶縁状を叩きつけろ。
歴史の闇に葬られた過去の超文明を解き明かす知的好奇心は何ものにも勝るのだ。これから産み出す「未来科学」でお前たちを後悔させてやる。と云ってやれ!

ってやべえ・・・ ここまで書いてて、なんだかベガパンク死んじゃう気がしてきた・・・。

今日のこの事件って、世界に思いもよらぬ「衝撃」を与えるんだよな。


それって何だろうな。
ベガパンクの闇落ち(逃走)ならまだいいが、ベガパンクの死だろうか。
サターン聖の死かもしれないし、巨神兵復活の報や、ニカの存在の発覚かもしれない。

思いもよらぬって、どういうことか気になるなぁ・・・

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Comment

  1. 匿名 より:

    ベガパンクステラがどうこうあったとしても、知識等共有してるはずのサテライトが一体でもいればその知識等の復元は可能なのでは?と思います。

    そもそも正(シャカ)の生死は確実か?と言う問題もあるのでは?ワンピース だけに。

    • BIE(管理人) より:

      シャカの生死は気になりますね。
      ステラを差し置いてドラゴンと会話してましたし、全員がベガパンク「本人」なのだとしても、少し引っかかります

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